「…石田を斬ったのもあんたなのか?」
「どう思う?」
「ッ…!」
感情を抑えきれなくなり飛びかかった一護の刃を、
何者かが受け止める。
「−−−−!?」
あまりにも見覚えのある、その姿。
いままさに、病院から抜け出してきたような、
痛々しいその姿。
「石田!?」
それは、一護を再び戦いの場へと赴かせる切っ掛けとなった張本人、
石田雨竜その人だった。
「月島に…近づくな」
「な、何言ってんだ石田?お前…」
「近づくな、と言った!」
容赦のない弓の攻撃が一護に降り注ぐ。
「やめろ!何するんだ!?」
「黙れ黒埼一護!お前はーー痛ッ…!」
弓の雨が突如、止む。
「馬鹿野郎!そんな体で動いたら…!」
「こんな傷…たいしたことじゃ、ない」
青白い顔で傷を押さえうずくまったまま、
雨竜は一護をにらみつけた。
「お前に斬られたくらいで…この僕が倒れると思うな」
「!?」
雨竜の言葉は、一護には理解できるものではなかった。
「な…何いってるんだ石田?」
「お前こそ…何をとぼけている」
月島の静かな微笑が、一護の視界の隅を掠めた。
「てめぇ…ッまさか石田の記憶を…!!」
月島に向けて振り上げた刃は、再び遮られる。
「どけ石田!お前は、こいつに騙されてる!いや、違う…操られているんだ!」
「僕は…正気だ!!」
そう叫び、力で強引に一護を押しのけた雨竜の包帯に、鮮やかな赤色が散る。
「グッ…」
傷の開いた衝撃に崩れる体を、月島が優しく受け止める。
「すま…ない、月島」
「いいんだよ雨竜。…まだ戦えるよね?」
「もち…ろん、だとも」
「てめぇ…ッ…!」
こんな状態の雨竜を、それでも戦うよう促す月島に一護が刃を向ければ、
その前には、雨竜がすかさず立ちはだかる。
「石田、お前を斬ったのは俺じゃねぇ!そこにいる月島なんじゃないのか!?」
歪められた記憶。
「思い出せ石田!お前自身の本当の記憶を!」
「…………」
肩で荒い息をしたまま、雨竜はその言葉に静かに言葉を返す。
「僕も…正直、何かがおかしい、と…感じている」
「石田…!そうだ思い出せ!」
雨竜は、自分の記憶に疑問を感じていた。
時折、納得のいかない光景が、断片的に浮かぶのだ。
その中でも特に鮮明な、その記憶。
「…暴走したお前が…その刃で僕を貫いた」
「!!」
「…この記憶は…偽りなのか?」
「そ…れは…ッ」
一護は、言葉を濁す。
「そうか…」
それが、雨竜には答えになった。
「…否定出来ないようだな黒埼一護」
これこそ偽りの記憶なのではないか、と疑っていた記憶は
紛れもない事実だった。
「ならばもう僕に迷いはない!」
「違う石田…俺は…!」
刃を交えながら、一切の攻撃を出来ない一護を
雨竜の攻撃が追い詰める。
「やめろ石田!お前をこれ以上この刃で傷つけたくねぇ!」
「そうだ、思い出したぞ!お前は間違いなく僕を斬った!お前を止めようとした僕をーーー」
そして、とどめを刺そうとした弓を引き絞ったまま
雨竜は動きを止めた。
「……石田?」
「お前を…止めようとした?」
己の記憶に浮かぶ、疑問。
「……なぜ、僕は『君』を止めようとした?」
なぜ敵であるものを、倒そうとしたのではなく
止めようとしたのか。
「教えろ黒埼一護…僕はなぜ、君を…?」
それでは、まるで…。
「帰ろうか、雨竜」
「!!」
そんな雨竜を、後ろから月島が押さえ込む。
羽交い絞めにするように。
「放せ月島、僕は…」
「それじゃあ…またね」
「待て!てめぇ石田をーー…くそぉッ!」
月島に強引に連れ去られる雨竜を、
力及ばない男は、ただ見送ることしか出来なかった。
…だから、全部妄想ワールドですからね?
こんなシーン原作にないですからね?
感想コーナーにおいてあるけど、微塵も感想じゃあないですからね?(笑)
でもなんか、すごい夢ひろがりまくってるんです今。
月島の本当の能力判明しちゃったら、もう妄想できないから、
今のうちにたっぷり妄想しておかないとねw
あぁ〜こんなイチウリ展開だったら萌え〜(*´Д`*)
2011.05.07