『狩谷夏樹を絶望させろ』

 

 


…知っていましたか?
それが、僕の使命なんですよ…狩谷君


†愛しい君†

「言ったでしょう、彼は敵だ、と」
「…………」
「やれやれ…口で言っても覚えられませんか?」
貴方の不自由な脚を扱うのなんてとても簡単な事。
「嫌だ…遠坂…っ」
貴方の唯一の抵抗手段である腕をも、その自由を奪いとる。
「離せ…やッ…ーーーッ!!」
僕の上に貴方を乗せると、貴方はゆっくりと僕を受け入れていく。
「やッ…あぁッ!」
自らの重みで僕を根元まで飲み込んだ貴方を、乱暴に上下に揺らした。

「はァッ!く…っ、あぁッ!!」

達する自由すら、認めない。
「は…あぁッ、やッ…イカ…せてっ…!」
そう…これは貴方への戒め。
「もっと…御自分の立場を理解して頂かないと…ね?」
貴方は我々にとって、とても大事なお方なのだから。
「芝村側の人間と親しくなるなど…もってのほかです!」
アイツになんて、渡さない。
「はっ、ウッ!あッ…くッ!」
だから僕はいつでも、貴方を見ています。
「狩谷君…」
愛しい貴方。
「もぉ…嫌だ、遠坂っ…!」
貴方の奥の、ずっとずっと奥の貴方を、僕は見ていますからね。
「あぁ…そんな顔しないで」
腕の中で泣きながら暴れる貴方に、僕はそっと口付ける。
「こっちを見てくれませんか?貴方の瞳…好きなんです」
その瞳が、赤く染まるのが。
「嫌…っ」
その瞬間を待ちわび、僕は今日も貴方を壊す。
「あ…アッ!あぁっ…嫌ぁーーッ!」
もっと泣いて、もっと嫌がって、もっと…絶望して。
「あぁ…狩谷君」
はやく『彼』に会わせて下さい。
「愛していますよ」
愛しい貴方。

早く…早く…!

 

コワレテクダサイ。

 

 

end

 



単行本では組織からの命令で、狩谷を絶望させるべく裏で手引きしている遠坂。
狩谷を一個人として扱って無い感じですよね。覚醒させる為の器程度にしか見てません。
そんな単行本の黒遠坂大好きです。最後に改心しなくてもいいよってくらい好き(笑)
遠坂が日常的に狩谷を追い詰めてたなんて想像しただけで…萌! おいしい設定だよねぇv


2005.05.28


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