「よせ」
ロンデミオンの言葉など聞きもせず
長く細い指がロンデミオンに絡み付く。

「侯爵!」
今にも口に運びそうなその頭を、寸での所で掴み制止させる。
「あぁ…っん」
残念そうな甘い声をあげ、デュファストンは上目使いにロンデミオンを見上げた。
「意地悪ですねぇ…勇者殿は焦らしプレイがお好みですか?」
「誰が!」
寝込みに勝手に襲い掛かって来ておいて、
プレイ呼ばわりされてはたまったものではない。
こんな所を仲間達に見られたら、何と思われることか。
「いいではありませんか勇者殿。ねぇ?」
中性的な顔立ちの色気のある男は、
自分の魅力を充分に理解している素振りで
ロンデミオンを挑発する。
「………」
綺麗だ、とは思う。
ソソる、とも。
だが、心がブレーキをかけるのだ。
この男は、この男だけはダメだ、と。
「少しは私の遊びにおつき合い下さっても」
「断る」
誘いを切り捨てるようにばっさりと言い放ち、
ロンデミオンは掴んだ髪をぐいと引っ張る。
頑なまでに明確な拒絶の意。
「…仕方有りませんね。では余所にいくとしましょう」
「あぁそうしろ」
その態度に諦めたようにロンデミオンから手を放し、
デュファストンは掴まれ乱れた髪を手でかきあげながら言った。
「あの子…弓師の彼、どこの部屋でしたかねぇ」
「!」
わざとロンデミオンに聞こえるような独り言。
「それでは御機嫌よう」
「待て!」
ベッドから降りようとしたデュファストンの腕を、
ロンデミオンが掴み止める。
「なんでしょう?」
「侯爵…どこに行く気だ」
「どこに行こうと私の自由。そうでしょう?」
「仲間の部屋に行く気だな…」
「えぇ、私も若くて可愛いコは、嫌いじゃありませんし?」
「貴様…」
誰の事を言っているのかは、明らかだった。
初期の頃から旅を共にした、弓使いの青年ヴィルグ。
顔立ちの整った気持ちの良い青年だ。
ロンデミオンにとって信頼できる腕のたつ仲間であり、
息子のようにすら感じる存在。
「そんなことはさせんぞ」
彼がこんな淫魔の毒牙にかかるなど、
断じて見すごすことなどできない。
「…ならば貴方が遊んで下さいますか?」
憎たらしい程の美しい微笑みで、
デュファストンが穏やかに脅しをかける。
「〜〜〜ッ!」
この男、わかって言っている。
こう言えば、ロンデミオンがそうするだろうことが。
罠にはめられたも同然だった。
「まったく狡猾な男だ…」
「ありがとうございます…v」
罠に堕ちたら、もう負けだ。
「それでは」
デュファストンはロンデミオンの上に乗りあがると、
衣服の中に手を突っ込み目的の其れを引っ張り出す。
「素敵ですよ…勇者殿」
その大きさにうっとりとした表情を浮かべると
デュファストンは其れを両手で掴み顔を近付けた。
「…………」
その様を不機嫌そうに見つめている視線に気付くと、
デュファストンは不敵な笑みで言った。
「…食いちぎったりなど致しませんよ?ふふ…」
「どうだかな」
どこまでが冗談なのかわからないような会話をかわし、
ロンデミオンは諦めたように抵抗を止める。
「う…ふふ…勇者殿…っ、太くて…凄く良い、です…はぁっv」
散々口で喰わえた後は、今度は違う口で。
ロンデミオンに跨がりベッドを軋ませながら、
デュファストンは存分に其れを味わいつくす。
(まったく…一体どこでこんな事を覚えてきたんだか…)
流されるように不毛な交わりを営みながら、
ロンデミオンは溜息を押さえることができなかった。







2008.06.05

 

デュフ様襲い受だろうな。
デュフ様淫乱だろうな 。
街に戻る度に夜な夜なロンデミオンの寝室に忍び込んで
強引に襲い掛かっていたに違い無い。
でもロンデミオンにしてみれば複雑だったろうねぇ。
ほら、わかってるからさ(笑)

 

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