「じゃあ その場でよつんばいになって貰おうかしら」


女王様と魔王と犬

 


「うふふ…貴方ともあろうものが、不様ね」
女王はその場に四つん這いになった男の背を 靴で踏み付ける。
この男がそうまで自分を貶めてまでも従うのには、
口には出来ぬ思惑があるから。
「そんなに…彼に知られたくないのかしら?」
「…なんのことか私にはさっぱり」
「そう」
だがそんなことには興味がないというように、
女王は己の下僕を呼んだ。
「ラキ」
名を呼ばれ、歩みよる白銀の狼。
「どうしたテージ」
「この男、やってちょうだい」
足蹴にした男を顎で指図し、女王は言った。
「…しかしテージ、この男は」
「今は私の下僕よ」
下僕は彼女の新しい玩具。
「いいからやってちょうだいラキ」
己に従うその様を眺めるのは彼女の至福。
「…わかった、テージ」
狼は、ただ主人の命に従う。
現れた狼の姿に、踏み台の男の表情が変わった。
「貴様…白銀の賢者か」
その狼がただの狼では無い事を、彼は知っている。
「このような形で合おうとは思ってもいなかったぞ」
その会話は旧知であったことを物語った。
「随分と堕ちたものだな…貴様がまさか飼い犬とは」
かつてはその名を世に轟かせた賢者、
魔神ラナンキュラス。
よもや人間の手先と成り果てているとは、
思いもしなかったという口ぶり。
「それは、貴様にそのまま返そう」
だがそれは賢者からみても、同じ事。
今の彼等にはかつての関係など
なんの意味も無く。
今の互いの立場を
今の互いの思惑の為に
それぞれの立場を演じきる。
「今の自分の姿をよくみることだな」
狼は、よつんばいになった身体に覆い被さった。
「貴様…!?」
「主人の命だ」
いまは、彼女が唯一の主。
彼女の命令とあらば、なんでもしよう。
それで彼女を満足させ、信頼を得られるのならば。
「我が主を楽しませる為だ」
覆い被さった獣の巨体が、細い身体を一気に貫いた。
「あ…ああぁッ…!」
突き刺される衝撃。
閉じた其処は強引に割られ、
獣の太い男根が根元まで肉の中に埋められる。
「ん、く…ふ…ぅ、ん…あっ…v」
そして次第にあがる歓喜の声。
屈辱的なこの行為を、むしろ悦ぶような。
自ら身体をくねらせ、
更に深く激しい刺激を求める。
「まったく…本当に堕ちたものだな」
狼は交尾行動を続けながら、男の耳元で囁く。
「…魔王よ」
これが本当に、自分の知るあの魔王だというのか。
賢者は呆れたように呟いた。
25年という歳月はこうも人を…
いや、魔王をも変えるものなのかと。






2008.12.30



そして獣姦。
地下一階14の続きです。
ラキ×デュフってじつはかなりの萌なんですが。
いいよねぇラキ。
かっこいいし。
むっつりスケベだし(笑)
デュフとラキは顔馴染みのようでしたね。
思想的には正反対のラキとデュフですが
昔はどんなだったんでしょうね。
いろいろ妄想してしまいます。



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