†経文†
『囲まれましたねぇ』
『この状況、ちょっとヤバくね?』
『ここは一つ分散するとしますか…』
『やつらの狙いは経文だろ?三蔵を追っかけるに決まってんじゃん!』
『…まぁ、そうだな』
『…ですから、敵さんの裏をかきませんか?』
『裏?』
『経文は三蔵以外の誰かが所持して分散するんです』
『なるほど、三蔵を追っかけても経文は持ってねぇってことか!』
『そそ、坊主が死んでも経文は無事ってコト』
『てめぇ…』
『喧嘩は後々!とりあえず…』
八戒は辺りをみまわして言った。
『…僕が持ってる、ってことで良いですか?』
『…………あぁ』
三蔵も、辺りをちらリと見ると言った。
「………困りましたねぇ…」
両腕を縛り上げられて吊るされた状態の八戒は、困ったように苦笑した。
分散して各自別方向に散ったものの、自分を追って来る数の多さにさ太刀打ち出来ず、
ついには敵の手中に落ちてしまった八戒…。
「経文は、どこだ!」
「へらへらしてんじゃねぇよ!さっさと経文をだしやがれ!」
「いやぁ…僕は持ってませんよ?」
「ばっくれてんじゃねぇよ!俺らはなぁ、てめぇ等が話してたのちゃんと聞いてんだよ!」
妖怪の一人が持っていた棒で八戒の背中を打つ。
痛みに表情を少し歪めながらも、八戒は言った。
「だから、それが困りましたねぇって事の一つなんですよ」
八戒はまた困ったように苦笑した。
そう、八戒は本当に経文など持っていなかった。
さきほどの会話は、全部演技だった。
敵に聞こえるように三蔵とわざと芝居を打ったのだ。
実際の経文は勿論三蔵が持っている。
うまく敵が自分のしかけた罠にはまってくれたまでは良かったのだが、
どうも八戒が持っていないと言う事を信じてくれないのだ。
持って無いものは持っていない、出せといわれても出しようがない。
「さっきのは全部貴方達をはめる為の罠で、僕は経文なんてもってないんですよ?」
「嘘つくな!」
「だからぁ…ふつう罠だ、って途中で気付いてくれるもんなんですけどねぇ?」
「経文をさっさとだせ!!」
「…はぁ」
あまりにも純粋(?)に信じ込んでいる妖怪軍団に、八戒が溜息をつく。
だが、いい時間稼ぎにはなった。
この隙にみんなは安全な所まで逃げ延びただろう。
それが狙いだった。
八戒は囮だったのだ。
今回の妖怪達は手強かった、そのため普通に闘ってもキリが無いだろう。
だが妖怪化して倒したなら、話は別。
三蔵を危険に晒すわけにはいかない。
ハーフの悟浄には妖怪化が出来ない。
妖怪化した悟空は強いが、禁錮が外れたらその後が手に負えない。
そう考えると、適任は自分だけだった。
おそらく自分は掴まる事になるだろうが、
いざとなれば、制御装置を外せばなんとかなるだろうと思っていた。
しかし両手を拘束されると、気功も放てない上に制御装置もどうやって外したらよいものか…。
「困りましたねぇ…」
だから、困っているのだ。
「おい、どっかに隠し持ってるはずだ。服を脱がせ!」
妖怪達は八戒の服を乱暴に剥ぎ取りはじめる。
「…どこにももってねぇぞ!?」
脱がせた服をバサバサと振ってみるが、経文らしきものはどこにもない。
「てめぇ…俺等をハメやがったな!?」
「だからさっきから言ってるじゃないですか」
「うるせぇ黙れ!」
「ぶっ殺してやる!!」
ようやく罠にはめられたと気付いた妖怪達は、手に手に武器をとり八戒を取り囲んだ。
「さて…いよいよ困りましたね…」
八戒の顔から笑いが消える。
左耳を肩にこすりつけてなんとかカフスを外してみようとするものの、うまくとれない。
絶体絶命だった。
「…いや待て、まだ隠し持ってる可能性があるぞ」
だが、いまにも八戒に斬り掛かりそうだった妖怪達を止めたのは、その中の一人の声だった。
「聞いた事がある。どこかの国の『クノイチ』って戦闘民族は…
てめぇの身体ん中に巻物を隠すんだってよ 」
「…!?」
近付いてきた妖怪は全裸の八戒をいやらしい目で眺めまわして笑った。
「へぇ…」
「それじゃ、こいつも持ってるかもしれねぇなぁ?」
こういう事だけは素早く察する妖怪達は、次々に武器をおいてニヤけた笑みを浮かべる。
一糸纏わぬ状態に剥かれた八戒に、妖怪達は興奮していた。
「ちょ…」
グイ、と八戒の左足が持ち上げられた。
秘部を露にされ、八戒の顔がサァッと赤くなる。
「どれどれ、調べてやろうぜ」
「や…そんなとこになんて無いですよッ!…い…いやぁッ!!」
爪の長い妖怪の指が、数本八戒の中に捩じ込まれる。
「あああぁゥッ!」
切れた其処から赤い血が八戒の肌を伝う。
「奥の方まで…じっくりと調べさせてもらうぜ!」
「ヒ…!!!」
その言葉と共に、ゴツイ拳が乱暴に八戒に突っ込まれた。
「アッ、アッ!アァッ…ア−ーーッ!」
ずぶ…じゅぶっ…ぐきゅ…ぬじゅ…のぷッ!
妖怪達は次々と八戒に拳を突き入れた。
「なかなか見つかんねぇな」
「もっと奥に隠してんじゃねぇか?」
「どれどれぇ…」
ぐぶッ!ずぶん!ずこっ!
八戒の腹が激しい衝撃で歪にもりあがる。
「ひィ!?あぅ!あぁッ!」
腹の奥の方を乱暴に殴られ、耐えきれずに支えの右膝ががくんと折れる。
ズボッ!
「はあぁぁッ!!」
その拍子にさらに奥まで突き刺さる拳。
「見ろよ、もう肘まで入っちまうぜ」
「は…あ、あぅ!あぁッ!はひ…ひあぁッ!」
妖怪達はふらふらになっている八戒の腰を支えて無理矢理に立たせた。
「ん?なんだ…こいつ、興奮してやがるぜ」
「アウッ!」
妖怪達にそれを見つけられてしまった八戒は、身体の変化を乱暴に握りしめられる。
「だらしねぇやつだぜ…誰がてめぇを楽しませてやるかよ!」
妖怪は八戒のペニスをつかみあげると、根元をベルトのようなもので縛った。
「あ…やぁあぁっ!いやぁ!」
握られたことで更に興奮し、いまにもはち切れそうな程に充血したまま
八戒の性器は我慢を強いられる。
「それにしても見つからねぇなぁ…へへへ」
「俺に替わんな!もっと奥か?アン?」
ずッ!ずぷッ!ずぼっ、ずぼッ!
「あ、あ、イヤ!いやああああぁッ!!」
入れ代わりの激しい拳は、絶えまなく八戒を突き上げる。
「オラオラぁッ!」
「あひィッ!んあああああぁッ!!」
じゅぶ!じゅぷ!ぐぽっ!ぬっぷ!
「う、う、あう、うくぅッ…!」
泣きながら耐えている八戒も、痛み以外を感じ始めている事を自覚していた。
紛れも無く開放を求めて天をめざす性器と漏れてしまう声に羞恥心を煽られる。
「ホラホラ…腕突っ込まれて感じんのかよ?淫乱!」
「あ、あん…あぁッ、はぅ!」
「こいつ、イイ顔するじゃねぇか…」
はしたなくも艶っぽいその姿に、妖怪達がいやらしい笑みを口元にうかべる。
もはや八戒が経文を持っていない事など、すでにわかっていた。
そんなことはもう、どうでも良くなっていたのだ。
最初は痛がっていたこの男が、次第によがり始めたのが面白くてしかたないのだ。
「あ…あ…あぁ…っ…」
乳首、性器、そして脇や首筋など、八戒のあらゆる性感帯を妖怪の手が刺激しはじめる。
あいかわらず拳で嬲られてはいるものの、その刺激に八戒はさらに乱れていく。
「はう!あ、あぁん…うあッ!は…はぁぁん!」
痛みと快感でめちゃくちゃに追い立てられ、八戒は意識を保っているのがやっとの状態。
顔を背ける八戒を上向かせようとした妖怪の手が八戒の耳に触れる。
ぴくん、と八戒の身体が反応したのをみて妖怪がニヤついた。
耳は八戒の敏感な性感帯の一つでもあったのだ。
「耳も感じるのか?どれ…」
一人の妖怪が八戒の左耳を甘噛みした。
「…!!」
八戒の瞳の奥が光る。
「あ…りが…とう……ござ…い…ます……!」
「ん?」
八戒は突然首を大きく右に振った。
八戒の左耳から、何か光るものが飛ぶ。
一つ、二つ。
「な…なんだぁ?」
そして、咄嗟の事に驚いた妖怪の口から、光る金具がもう一つ、
地面に落ちた。
「!?」
「久々に…本気でキレそうですよ?僕」
妖怪達の目の前で、先程まで嬲っていたその男が変化し始める。
「な…」
「なんだこいつ…!?」
「う……」
「うわあああああああぁッ!?」
「逃げろーーーーーッ!!」
あまりに強大に変化していく八戒の妖気に、恐れをなした妖怪達は一斉に逃げ出した。
「……今回ばかりは…一人も逃がしませんけどね…v」
八戒はにっこりと笑うと、腕を拘束していたベルトを凄い力で引き千切った。
…あとの事は、御想像にお任せ致します(笑)
end
八戒さんもついに拳で輪姦されちゃった。
八戒さんはいつも痛そうなフィストばっかなので、
今回はちょっと気持ちよくさせてあげましたヨv(どこが?)
結局出血は免れないんですけどね、妖怪のあの爪だしねぇ。
まぁ怒った八戒さんは怖いってことでシメ(笑)
2004.06.21