†誕生日†

「…い…いれたぞ…」
「何言ってんですか、全然入って無いですよ」
「〜〜〜ッ!いいかげんにしろッ!」
「だって、夕貴さんが言ってきたんですよ? 今日は誕生日だから何かしてやるぞって」
「だ…だから、それはパーティーとか、そういう意味で…!」
「そんなの言い訳じゃないですか。何かしてくれるって、言ったでしょう?」
「そ…それはっ…」
言い淀む潤に駿は少し意地悪く微笑んだ。
「いいですか夕貴さん、もう一回言いますよ?」
駿は潤の腕を掴んで自分に引き寄せると、数分前に言った言葉をもう一度言った。
「今日は、全部自分でして下さい」
「………ッ」
潤は下唇を噛み締めて駿を睨むと、押し黙った。
「…今日はオレの誕生日なんですよ?」
要はこういう事だ。
ついさっきまで、駿の誕生日をすっかり忘れていた潤に、 駿は頭に来ていたのである。
だから、いじわるな仕返し。
潤も忘れていたのは事実な為、いつものように強く言い返せない。
「………今日…だけだからな…ッ!」
暫くして諦めたようにそう吐き出すと、 潤は自分の中に入っている駿に手を添えた。
そのままゆっくりと腰を降ろして行く。
「ん…あ、あぁ…あ…っ…ぅ」
ぬぷぷ…
あらかじめ自分で充分に解させられ、ゼリ−もたっぷりと付けた其処は、
良く慣れた駿のモノを簡単に飲み込んで行く。
「あ…あっ…んン…」
すっかりと駿を飲み込み、 潤は駿の股間に座り込んだ。
「それだけじゃイケないでしょ?早く自分で動いて下さいよ、夕貴さん」
「〜っ、わかってるよっ…!」
挿入の余韻で呼吸を整えている潤に駿は意地悪く急かす。
ちゅ…
「あ…」
腰を浮かせると、粘着質な音が接触部位から発つ。
初めて聞く音ではないが、其の音を自ら出しているのだと思うと
潤は恥ずかしさで顔が熱くなる。
ぬちゅう…っ
そして今度はゆっくりと腰を降ろす。
「もっと腰揺らして下さいよ」
「んっ…う…るさいぞっ!」
潤は怒鳴り返しながらも、再び腰を浮かせる。
「もっと速くした方気持ちいいですよ」
「うるさいったらっ…!」
そんなのわかってる、と言いそうになって潤は口を噤む。
自分でもこんなのじゃ自分の体は全然足りないのはわかっていた。
でもそれを見すかされるのは癪だったのだ。
潤はゆっくりと腰を上下させる。
ちゅ…くちゅ、ぷちゅっ…ぬちゅっ…
「んっ…ふっ!く…あ…!」
潤の背筋をゾクゾクと寒気が走った。
この行為がもたらす快感を知っている潤の体が、もっと強い刺激を欲しがって疼き出す。
駿を包み込んだ其処が、物足りなそうにヒクつき勝手に奥へと誘い込もうとする。
「こんなにヒクついてますよ…此処。刺激が全然足りてないみたいですね?」
ヒクつく其処の動きも、出入りする様も全て駿の前に晒している事を思い出し、
潤が羞恥に動きをとめる。
「やだ…見るなよ森川っ…!」
「嫌です」
駿はにっこりと意地悪く微笑んだ。
「最初から最後まで、全部見させて貰います」
「性悪…っ!」
「なんとでもv」
いつになくいじわるな駿は一向に引かず、逆に潤を言葉と視線だけで追い詰めて来る。
「夕貴さん」
「な…ん…」
駿は潤の左手を胸の赤い飾りに、右手を硬くなった潤自身を握らせる。
「夕貴さん、ここも自分で弄って」
「や…」
触れただけで、体が痺れるように震えた。
自分の手なのに。
いつもは駿が一方的に何でもした、だから潤は何もする必要がなかった。
だが愛撫に慣れた興奮した体は、いつものそれが欲しくて堪らない。
「ん…」
潤の指先が僅かに動く。
「もっと弄って」
「あ…」
「もっと!」
「あ…あんっ…!」
潤は言われるがまま素直に其処を弄り出す。
ぎこちない手付きで、いつも駿がしてくれている行為を思い出すように動かすと、
その指に比例するように、潤の腰の上下運動が次第に速くなっていく。
「あ…あっ…も…りかわっ…!」
「オレは何もしていませんよ?夕貴さん」
「やっ…」
潤の両手が自分の体をもどかし気に這い回る。
「森…川…っ!」
「なん…ですか?」
下半身はこんなに熱く潤の中を抉っているのに、
静かに自分を見つめ微動だにしない駿。
「もり…か…わ…っ!
潤の手が駿に延ばされる。
腰をつねに揺らし自分の好きな所を擦りながら。
「…し…てっ…お前が…して…っ…お…ねがい…っ…」
顔を真っ赤にして半泣きになって淫らに腰を揺らしながら、
プライドの塊のような男の、初めてのおねだり。
駿は苦笑した。
少し頭に来て、お仕置きまがいの行為を強いたけれど、
愛しい人にこんな顔をされたら、適わない。
「……はい、わかりましたよ」
駿は延ばされた潤の手をしっかりと握り引き寄せた。


end

 

うわびっくりした。ラブラブだよ(笑)異物も腕も流血も無しだよ!?ちゃんとしたラブものだよ!?
ていうか、地下二階では初の普通のラブものなんじゃないだろうか。
ま、 風シルだから有りかなと。駿も微妙に鬼畜だしね 。
ノーマルラブだし地下一階に置こうかなと思ったんだけど、良く考えたら結合部しっかり描いてるじゃん?(笑)
そんなわけで地下二階に転落なのね。

2003.02.09

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