同い年で同じ種族のこの二人。
似たような惨劇を生き延びた二人。
肉体的苦痛と精神的苦痛。
刻まれたトラウマと、憎悪。
帝国に受けた仕打ちについて謝罪された時の会話で
「お前が頭を下げたぐらいで済むと思っているのか。そんな軽いものではない!」
と激高するガーリット。
帝国を恨んでいるのか?と聞かれた時の会話で
「帝国や帝国兵に仕返ししてやろうとか、 そんな事は思ってないぜ。」
と穏やかに言うファング。
対称的なこの二人のこの反応。
ファングは過去にこだわり復讐を誓う男でありながら、
仇の復讐相手以外には、元帝国の人間であっても認め、許し、受け入れる。
彼は仇をうつ為のみにその憎しみを放っていた。
一方、ガーリットは過去を振り替える事はやめた、と口では言っておきながら、
元帝国の人間を許す事が出来ず『帝国』と名のつくもの全てを憎み、拒絶する。
例え其れが、自分に害を与えた対象ではなくとも。
おかしな事に復讐を唱うファングよりも、
過去を振返らない、というガーリットの方が
ずっと内に秘めた憎しみの闇は深いことに気付かされる。
実際ガーリットは一時期無差別に人間に復讐をしていましたね。
しかも、帝国だけではなく、本来自分達に友好的である王国の人間にまで。
それはもはや『帝国』ではなく、『人間』全てに対する憎しみ。
逆恨みにも似た理不尽な行動。
そこまで彼の心を追い詰めた『人間』。
いったい彼は過去に何されたんでしょうね?
… と勘繰らずにはいられません。
外伝…でませんかねぇ?(笑)
2009.12.28