†続・放課後のコート†
「どーしたの部長?俺等何にもしてないっすよ?」
「そーそー、抜きたかったらいつでも抜いていいんスからね」
「あ…あぁ…ッ」
「…抜きたかったんだろう?もう抜いていいんだぞ手塚」
「あぅ…ううっ、ひ…ぃっ」
コートにセットされたまま片付けていなかったその支柱に跨がり、
不自然に背筋を延ばしたまま、手塚はその姿勢から動く事が出来ない。
「ど〜したの手塚、ひょっとして抜きたく無いのかニャ〜?」
愉快そうに見守る部員達に囲まれる中、手塚はその中心で体をガクガクと震わせている。
「う…うっ…苦し…っ…」
ネットの高さは、手塚のウエストのあたりである。
その上に跨がっている手塚には、 自分で抜く事が出来ない程深くまで 支柱が突き刺さっているのだ。
たとえ爪先立ちになったとしても、抜き取れるモノではない。
「……ここまで、入っちゃってるんだ? 」
不二の指が手塚の歪に突き出た腹を突ついた。
「う…う…」
手塚は泣きながら何度も頷く。 今自分がどれだけ辛いのか、少しでもわかって欲しかったのだ。
太い鉄柱は既に手塚の奥まで到達していて、手塚の腹を内側から圧迫し続けている。
手塚は不自然に突き出た腹に手をあて、今にも気を失いそうな意識を必死に保っていた。
もし、気を失ってしまえば、もし、この両足の力が抜けてしまえば…
この体は、重力に逆らえなくなる。
そんな事は恐ろしくて考えたくなかった。
今の状態で、もう限界なのだ。
「あぅ…助け…てっ…」
「だからぁ、自分で抜けば部長?」
皆、手塚が自分では抜けない事など承知の上だった。
「…出…来ない…っ」
「思いっきりジャンプすれば良いんじゃないスか?」
「そうだね、やってみなよ手塚」
「………そんな事…」
たしかに可能性は0では無かった。
でも失敗した時は…最悪の結果がまっている。
だが手塚の跳躍力は並以上。あるいは…
手塚は意を決して脚に力を入れた。
「あぐ…っ」
苦痛を承知で膝を僅かに屈めると、手塚は思いきり地面を蹴った。
タンッ
「ひぃ…ッ!」
ずるるぅッ!
脚が地から離れ、手塚の中の物体が勢い良く抜き取られていく。
だがそれは、後少しという所で無情にも止まった。
「や…」
最悪、だ。
ズコンッ!!
「ギャアアァッ!!」
「あ〜あ、本当にやっちゃった!」
「うわ、いったそぉ〜!」
鉄柱が、手塚の最奥を再び突き上げる。
全体重をかけ、勢い良く手塚を突き上げる。
「あぐ…」
手塚の体が大きく揺らぎ、膝から力が抜けていった。
ぐらりと傾いだ手塚の腹が、ぐいッと競り上がる。
沈む体には、もう力が入らなかった。
絶望的。
「…おっと!」
だがその沈みかけたその体を、大石が押さえた。
「大石…!?」
「あ〜なんだよ大石ィ!」
「これからが面白いんじゃないっスか!」
「そうだそうだ!」
「…ちっ…」
「おいおい、いい加減もういいだろう?」
大石はそれ以上鉄柱に沈まない様、手塚を抱きかかえた。
「大…石…大石…っ…!」
極限状態で優しくされると、人間は脆くなるものである。
手塚は大石に縋り付いて泣きじゃくった。
今の手塚には、彼は唯一の味方と思われた。
「大石先輩ってば優っさしぃ〜!」
「ふざけてないで、さ、時間も遅いしもう片付けよう」
大石は縋り付く手塚を自力でたたせると、支柱を握った。
「さぁ、もう抜くぞ手塚」
「え!?」
その行動に驚いたのは手塚だけではなく、おそらくその場にいた皆だった。
「大石?」
「ちょっ…」
「まさか…」
大石は握った支柱を、そのまま持ち上げた。
「ひ…!?」
貫かれたままの手塚の脚が、地面から浮く。
「あ…ぐああああぁーーッ!」
手塚の腹が異常に突き出し、絶叫した手塚は大石にしがみついた。
「はは、そんなにくっつくなよ手塚。今抜いてやるから」
大石は鉄柱を更に持ち上げた。
グボボッ……!
「ひぃ……ぎゃあああぁーーッ!!」
今まで地面に土台として埋まっていた部分が、手塚の中へと飲み込まれていく。
「……ッ…」
半狂乱で必死に大石にしがみついていた手塚が、突然ガクンと頭を垂れた。
グポンッ……
「ほら、抜けたぞ手塚」
鉄柱の土台が地面から抜き取られた時には、既に手塚の意識はなかった。
「大石……」
「す…すっごかったぞ今?」
「手塚からエイリアン出てくるかと思った…」
見ていた部員達も、これには絶句していた。
「さぁ、皆ももう帰ろう。この続きは明日にしよう!」
大石は何事もなかったかのように支柱を片付け終ると、爽やかに言った。
「……大石って…恐っそろしぃ〜…」
ちょっとだけ大石の本当の性格を見た気がした部員達だった。
end
2003.01.27
ありえない第2弾(笑)腹突き破りそうなくらい奥まで突っ込んじゃってます。
実際には絶対ありえないよ、無理無理。 むしろ死ぬって。でも描くのは楽しい♪
今回鬼畜よりeroさを追求したつもり(そうか!?)鼻以外の全ての汁だしてますよ(笑)
それにしても悲惨だね手塚。今回は大石が極悪。