†俺のジェイド†
「………まったく…」
呆れた様子で溜息一つ。
余裕の口調で平常心の鉄仮面。
いつものお前の言動パターン。
「貴方ときたら本当に常時盛った犬というか…」
「少し黙れよジェイド」
「ん…っ…」
この減らず口は時も場所も選ばない。
今こうしてベッドで組みしかれていようと関係無しだ。
だから、塞いで黙らせる。
「良くしてやりゃ文句ねぇだろ?」
「やれやれ…そう願いますよ?」
あいかわらずの、可愛くないジェイド。
皇帝すらも手玉に取る小悪魔。
いや、違うな。
大悪魔。
これから俺の悪魔退治が始まるってわけだ。
「ジェイド…」
頭から髪にそって手を滑らせる。
指の間をすり抜ける滑らかな感触が気持ち良い。
俺のお気に入りだ。
「…髪を愛でられましても感覚がありませんからさっぱりですねぇ」
「わぁーってるよ!」
俺が好きなんだよ!
お・れ・がッ!
「…ったく」
あくまでも俺に主導権を取らせないつもりかっつの。
まぁそうはさせねぇ。
見てろ?
伊達にこの性悪とン十年身体繋げちゃいねぇぞ。
お前の弱点なんざ熟知してるんだからな。
「それじゃ…感覚のあるトコにしてやるぜ」
「ちょ…っと、陛下…っ!?」
白い首に軽く歯を立てて、背後から包むように抱き締める。
「……ッ!」
慣らさず、挿入。
日々俺様の自慢の息子で慣らしてるだけあって
慣らさなくてもなんとか入る。
「…きっつ…」
でもさすがに、きついな。
「……陛下…」
うぉ、やっべぇ…今まじで『殺す』的な顔した。
目線をあわさないように視線をずらし、
誤魔化すように口付ける。
「これなら感覚、あるだろ?」
「えぇ、鮮明な痛覚が」
笑顔が恐ぇ。
あまり冒険するとたいへんなメにあうからな。
見極めが肝心なんだ。
このギリギリの駆引きが、面白い。
しかし、だ。
面白がってばかりじゃないぜ。
なにしろ本当の駆引きはここからなんだからな。
「慣れるまで待ってやるからさ」
知ってるんだぜジェイド。
バレてるんだぜジェイド。
「当然です」
口ではそんな事いってるけど、
お前は…強引にされる方が感じるってこと。
本当は、このまま無理矢理俺が動くだろう事を期待してる。
…だろ?
「…………」
「…………」
だから、俺は動かない。
先端だけ挿したまま、その先には進まない。
「…陛下…」
「ん?」
身体の下でジェイドが身じろぐ。
「…するんですか?しないんですか?」
「あぁ、するよ?」
ほら、焦れてきた。
「でしたら…」
「慣れるまで待ってやるって言ったろ?」
わざとらしいくらい優しく囁いて。
「貴方程度の物、とうに慣れましたよ」
ムカつく台詞にもグッと堪えて。
「そうか?まだきつそうだぜ?それとも…無理矢理動いて欲しいのか?」
「………御冗談」
冗談じゃないぜ?
本音だろ?
まったく、自覚が無いのか隠したいのか、
認めようとはしやがらねぇ。
「だったら、もう少し慣らしてやるよ」
「………」
そのまま少し動かしたり、また退いたり。
同じ浅さをキープして。
俺もお前も着かず離れず。
「…っ……」
ゆっくり、浅く、優しく。
お前の苦手な、緩い感覚。
「………ん…」
もう少し。
「…ん……っ…」
あともう少し。
「………っ、へ…いかっ…!」
ほら、来た。
「なんだ?ジェイド」
「……っ…」
そろそろ、鉄仮面の呼吸が崩れて来る。
まぁ、俺はとっくに崩れてるんだけどな。
「……陛下っ……!」
「だからなんだよ?」
「…っ…」
怒ったような口調と、訴えるような瞳。
俺を喰わえる口がさっきからきゅうきゅうと痙攣し始めてる。
そろそろか?
そろそろだろ?
ていうか…俺のほうがもうやばい。
「へ…いか…っ」
ジェイドの腰が浮き上がり、俺の身体に僅かに近付く。
入れて欲しくてたまらないんだろ?
だがしかーし!
そうはさせるか。
俺は近付いた分、後ろに退いてやる。
お前の好きにはさせないからな。
「ひ…ぅ…」
ジェイドの喉から切羽詰った吐息がもれる。
膝が震えてるぜ?
ったく、そこまで我慢するかよ。
「…どうした、限界か?」
「相変わらず…性悪、ですね…っ」
「お前ほどじゃないけどな」
必死に平静装って、そんな事言ってる俺だけど
きっと俺の声は上擦ってたとおもう。
俺だってまじでもうやばいんだって。
はやく観念しろっての。
わかってんだろ?言えよ。
あの言葉を。
「……っ…」
……どうだ?
「………ニ…」
お?
「………ピオニー…っ」
きた!
待ってました。
ジェイドが敬称じゃなくファーストネームで俺を呼ぶ。
その声だけで、俺はゾクリと全身に鳥肌が起つ。
時にSEX中のこの言葉は
こいつの最大で最小の御強請り行為。
この瞬間、性悪陰険ロンゲ眼鏡な大悪魔は
俺の可愛いジェイドになる。
「俺が欲しいかジェイド」
返答を確認する間も惜しい。
むしろ答えなんていらない。
欲しいに決まってる。
「突くぞ」
つうかもう限界。
どんだけ俺が我慢してたと思ってンだっつの。
「ん、アッ…!強…すぎ、ますっ…!」
「好きだろうが?」
「……っ…ん、んっ」
俺も限界だったけど、お前も相当限界だった事を
この身体が俺に教えてくれる。
こうなったお前はもう、快感を隠さない。
「あ…ぁ、…っ…ピ…オニ…ーっ!」
最初の涼しい顔はどこへやら。
快楽に貪欲で素直なこのエロい身体。
国内外問わず恐れられているネクロマンサー殿とは思えないね。
今は俺と繋がって快楽に呑まれている、ただのジェイド。
仮面の下からこいつを引きずり出すのには、
なかなかたいへんな重労働。
「ん、んっ…あっ…!」
俺の動きに素直に反応し乱れるジェイド。
俺だけにみせる、奴の仮面の中身。
悪魔の正体。
俺の、ジェイド。
「…もっと呼べよジェイド」
賞讃の言葉のように。
「ピ…オニ−っ…ピオニぃ…っ」
俺をただの『ピオニ−』のように。
end
ピオニ−にからかわれたり嫌がらせされてるジェイド萌え。
いつも人をからかって遊ぶジェイドを唯一からかえる男、ピオニ−。
本当のジェイドを知る唯一の男、ピオニ−。
「ジェイドって陛下には弱いよな」byルーク
ハイそうです、その言葉が二人の関係の総べてですよ。
なんでこいつらはこんなにエロい設定なんだろう…
そう思わずにはいられないピオニ−とジェイドの関係。
ジェイドが『陛下』から『ピオニ−』に呼び方変わる瞬間は
もう 最高のエロスです。
ファンダムvol2とかかなりやばいですよね。
弱々しいジェイドとか。
苦悩するジェイドとか。
動揺するジェイドとか。
もう仮面の下の『素』のジェイド萌えすぎ!!
何回繰り替えし見た事か(笑)
しかしあのジェイドに嫌がらせして楽しむなんて
本当ピオニ−って無敵(無謀?)ですよねぇ。
2008.01.31