ルークの日記
○月4日 晴
寝坊した。くそ、明日からはしねぇっつーの!何しろ俺に策が有るんだからな!よ〜し、今日はジェイドが何時に寝てるのか、探ってやるぞ!
ジェイドはいつものように皆と食事して、その後しばらく雑談をして…いつもと同じだ。そしてちょっと俺がトイレに言っている間に、戻って来たら居なかった。
…どこいった!?
ガイに聞いてもティアに聞いても、知らないといっていたな。宿の中にはみあたらない。あんまり俺がジェイドの事を聞くので、アニスに変な顔をされた。やべーな。俺がジェイドを探ってるのがばれたら、あっという間にあのネクロマンサーの耳にはいるぞ。今日はこのへんにしておくか。
○月5日 晴
寝坊した…くそ、ジェイドのせいだ!今日こそぜってー奴の動きを探ってやる。
ジェイドは昨日となんらかわらない。飯の後にはちょっと雑談して…お、部屋出てったぞ? よし追え!俺!
…見失った。くそ。なんで常に気配消して歩くんだよあいつは!?
どうやら宿の外に出かけたみたいだ。
○月6日 曇
寝坊したぞ。ちっくしょー!今日こそジェイドの後をつけるぜ!ん?なんでジェイドのあとつけてたんだっけ俺?なんかもう、よくわかんなくなってきたな。まぁいいや。
ジェイドが今日も出かけていった。今日はぜってーにがさねぇ!このルーク様を甘く見るなよネクロマンサー!
ついていくと、ジェイドは一人で店に入っていった。なんだ?あいつ毎日一人で酒のんでんのか?まぁ俺等未成年だから気を使って…って、んなわけねぇな、あのジェイドが。
俺等の前で平気で飲むだろあいつなら。
つうか、酒飲めば寝坊しないのか?ひょっとして。アルコールの作用で短時間で熟睡出来てとかなんとか、よくわかんねーけど、そういう理由とかあったりして…って、ジェイドがいねぇ!?どこ行った!?さっきまであの店にいたよな!?
くっそぉ!今日の所は撤退だ!
○月7日 晴
はいはい、寝坊ですよ!悪かったな!
今日もジェイドは店に入っていった。今日はこっから先も気を抜かねぇぞ! …くそ!通りすがりの奴が俺を指差して変な目でみやがるぜ…ストーカーじゃねぇよ!うっせーよ!
ジェイドは…カウンターで何か飲んでるな。たぶん酒だ。量はそんなに多く無いみたいだな。隣にすわってる奴と何か話してる。お?ジェイドが動いた。店を出るみたいだな、やべ、隠れないと!
………あぁそうだよ、見失ったよ!
○月8日 雨
雨の朝って皆寝坊するだろ?そういうもんだろ?くそ。天気もうぜぇが皆の視線もうぜぇ!あぁ寝坊してすいませんでした!
ジェイドが店に入ってから、どうやらあまり時間が立たない内に店から出ている事はわかった。ようはそのあとだ。雨が冷たてぇ…くそ!早く出て来い鬼畜眼鏡!!……お?…よし、ジェイドが動くぞ。昨日は隣の奴と一緒みたいだったけど今日は、ひとりだな。まぁどうでもいいやそんなこと。
バーみたい所をでてから、ジェイドに気付かれないようにあとをつけると、ジェイドはどっかの建物に入っていった。これ、何の建物だ?ていうか、それっきり全然でてこねーし。…なんか眠くなってきた……。
……… って、つい寝ちまったぜ。もう外ちょっと明るいじゃねぇか!? やっべ!帰って寝ないと明日も寝坊しちまう!
○月9日 曇
当たり前だろ!?殆どちゃんと寝て無いんだぜ!寝坊するだろ!? 開き直りはみっともないとか言いやがったあの冷血女!くっそ〜その後ろで笑ってる眼鏡が憎らしい。てめぇのせいなんだよ!
今日もジェイドはバーを出るとどこかの建物に入っていくみたいだ。…ん?建物の入口で誰かとはなしてるな。知り合いか?どうやら待ち合わせでもしてたみたいだ。二人で中に入っていった。
……………つうか、ちょっとまて。これ………ラブホじゃね?うわ、うわ、俺何かすげぇ現場に居合わせてねぇ?ジェイドの逢い引き現場目撃じゃん!……つうか、待て。さっきの相手、男だったろ。あれ?…落ち着け俺。今ちょっと混乱してるぞ。
とりあえず今日は帰って寝よう。
○月10日 晴
昨日ちょっと混乱したしよ、寝坊するぜそりゃ。ていうか昨日の相手、どう見ても男だったよな? う、う〜ん?俺の見間違いか?今日は昨日のモヤッとした感覚をハッキリさせてぇ!
ジェイドが店を出た。知らない奴と一緒だ。やっぱ…男、だな。
ジェイドが建物に入って行った。…うん、ラブホだな。
……あれ?やっぱこれって……そういうことなのか?女だったらネタにいびってやろうと思ったけど、これって、うわ、どうしていいかわかんねぇ!
と、と、とりあえず…出てこねぇし、帰ってねるか…。
○月11日 雨
雨だしよ、なんか昨日戻ってからも寝られなかったしよ…寝坊もしかたねぇじゃん。昨日の事ジェイドに聞いてみようかな…つうか、やっぱ聞けねぇよ。 それじゃ俺があとつけてたのもバレるっつうの!
ジェイド、今日は出かけないみたいだな。雨だしな。いや、でも前に雨でも出かけてたよな。ひょっとして…俺がつけてたの気付いたのか?い、いや、気付いてたら直接言って来るよな?気付かれてねぇよ!うん、大丈夫。
夜になって、ジェイドがガイの部屋に入ってった。あ、今日はあいつらが同室だからジェイドにとって自分の部屋か? まぁどっちでもいいや。とにかく今日は本当に出かけないみたいだ。ていうかガイも災難だよな。結構あの鬼畜と同室になるもんな。俺なら絶対ごめんだね。またいつもみたいに弄られてんだろうな、お気の毒さま。…へへ、ガイの困ってる姿ちょっと覗いてやるか♪
え?
あれ?
な、なななな?
何やってんのあいつら!?
ちょ、待てって、おい!?ガイ、それジェイドだぞ?ジェイド、それガイだぞ?何やってンだよ!?おいガイ!騙されるな!そいつは毎晩遊び歩いてるような奴だぞ!?って、そ、そういう問題じゃねぇし!何を野郎同士で…ってうわわわまじかよ!?何だこれ!?落ち着け俺!落ち着けルーク・フォン・ファブレ!
つうか…本当に、入ってんのかあれ…うわ、うわ、まじで!?す…すげ!凄ぇ…全部入っちまった。ジェイドって…あんな顔するんだ…?俺、見た事ねぇな…ああいうの。な、なんか別人みてぇだ…ちょっと色っぽいよな…。
あ、あ…なんか急にすげぇトイレいきたくなってきた…!
○月12日 曇
今日は寝坊しなかった…ていうか、昨日一睡もしてねぇもん。あんなの見せられた(勝手にみたんだけど)後じゃ寝れねぇよ…まじで。皆は寝坊しなかったことに感心してたけど…どうでもいいし。なんかもうわけわかんねぇ。だって、ジェイドが…つうかジェイド、俺の事なんで誘ったんだろう。あれって、やっぱ誘ったんだよな?相手は選ぶっていってた。俺ならいいって思ったってことなのかな…?俺に、ああいうことしてほしいってこと?なんで?…本当に何考えてるのかわかんねぇ…。
俺、いまからジェイドの部屋にいってくる。
○月13日 曇
昨日、ジェイドを抱いた…。
俺、やりかたとかよくわかんなくて、絶対すごく痛かったと思う。でも、ジェイドは文句言いながらも俺の好きなようにさせてくれた。最初要領わかんなくて手探りだったけど、途中からだんだんわかってきたぜ!ジェイドの様子を見ててもそれがわかった。だって、ジェイドの表情が少しづつ変わってきたんだ。ジェイドの白い肌がほんのり赤くなって、目元がなんだか涙目っぽくなって、嫌味な事もいわなくなって、俺の背中に腕まわして…なんだか、スゲー色っぽかった…。ジェイドって、いっつも嫌味で鬼畜で怖ぇーくせに…あんな顔とかするの、なんか猾い。
なんてかいたらいいのかな…わかんないけど、体温が暖かかった。あいつも人間なんだなって、俺も人間なんだなって、普通に感動した。
そうそう、今日は寝坊しなかったぜ!だって、朝になったらあの鬼畜眼鏡が容赦なくベットから笑顔で蹴落としやがるんだもん。寝てらんねーよ!本当に昨日俺の腕の中にいた奴と同一人物かなって思うよな。この豹変ぶりって詐欺だぜ絶対!
○月14日 快晴
ジェイドといると寝坊しない。ていうか出来ねぇし!今朝は本当にインディグネイションの詠唱が耳元で聞こえて飛び起きたぜ…。まじで殺す気かっつうの!
どっちかっていうと昨夜の疲れが残ってるからいつもより寝ていたいんだけど…でもそんなこといったら、もうさせません、とか言いそうだから、そんなこと言えないんだよなぁ。
ていうかジェイドは全然疲れねーのかな?化けモンだぜやっぱあいつ。
寝坊しないでいると、皆も機嫌いいし、まぁいいか。
○月15日 霧雨
もう寝坊してねぇって。このネクロマンサーの隣で無理だから寝坊とか!
うーん、ジェイドが今日はなんだか元気が無い気がする。気のせいかなと思ったけど、なんか変だ。いつもと同じなのに、なんだか違う気がするんだ。なんだろう…すごく気になる。聞いても、なんでもありませんよっていつもの口調でいうんだ。うーん、なんだろう、なんか怒ってるのかな?昨日俺やりすぎたのかな?今日、やめとこうかな…。
っと思ったら、今日はジェイドから誘って来たよ。よくわかんねぇなあいかわらず。 なんかいつもよりテンション高いんですけど!?どうやら元気無いようにみえたのも俺の気のせいだったみたいだ。つうか、このおっさんまじで絶倫かっつうの!そんな何回もできねーよ!まじ勘弁…。
○月16日 晴
いつもより早く起きたら、隣にジェイドがいなかった。
そしたら、ジェイドがガイの部屋から出て来るのを見ちまった。…なんか、すげーむかついた。なんだよ!昨日俺と散々したじゃん!?足りねぇってか!?あれで!?俺、たしかに下手かもしんないけど…すっげー頑張ったぜ!?そりゃ、ジェイドがいろんな奴としてたってのは知ってるけど、ガイとだって…知ってるけど…。あれ、なんだろう、俺。なんかほんとスゲーーむかついてる。ジェイドがそんなだって最初から知ってるのに…なんでだろう。
部屋分けの時、今日はガイと同室にさせてくださいって、ジェイドが言ってきた。
あーまじムカツク。
○月17日 暴風
起きた時間とかどうでもいいし。
晩飯食って宿の部屋にはいったら、直ぐにジェイドを抱いた。わざと、乱暴にした。 なんかイライラしてたから、わざと痛くしてやろうと思った。ジェイドは何度も眉をしかめたり呻き声を漏らしたりしながら、黙って俺の好きにさせていた。それに、俺が乱暴にするのをみて、なんか嬉しそうだった。なんなんだよ、なんか逆にムカつくっつうの!
なんで俺にさせるの?なんで他の奴とすんの?俺、ジェイドにとってなんなんだよ!?
わかんねーよ、わかんねー…!
○月18日 晴
久々に寝坊しかけてビックリした。ジェイドが、俺をおこさなかったんだ。ていうか…ジェイドが寝坊をしていたんだ。あのジェイドが!信じられねぇ。
ジェイドに触れて、またビックリした。凄い熱だったんだ。昨日、きっと俺がやりすぎたせいだ…。医者を呼んで、すぐにジェイドを見てもらった。度重なる過労と心労…それが原因なんだって。俺傍にいたのに、全然気付かなかった。ジェイドの身体は、もうずっと前からぼろぼろだったんだろうって…ガイが言ってた。それなのに全然なんでもない素振りして…それなのに俺、昨日あんな酷い事してしまったんだ。ごめんジェイド…ごめんなさい。
そういや三日前から、ジェイドはなんだか様子が変だったんだ。具合悪いなら悪いって、言えば良かったのに…!何で俺には何もいってくれないんだよ。きっと、ガイには色々言ってたんじゃないかな…ガイは俺と違って大人だから。俺、そんなに信頼されてないのかな。でもどうして、そんな身体で…ジェイドはさらに自分の身体を痛めつけるような事するんだよ。
なんで俺に酷い事されてる時嬉しそうだったんだよ。わかんねーよ。
今日はここでもう一泊することになった。ジェイドがこれじゃ、先に進めないもんな。俺は同室だからって理由にして、ジェイドの看病を買って出た。ガラじゃないけど、でも、俺のせいでもあるから。
さすがに、こんなジェイドに今日は何もしないって。
○月19日 晴
床に鼻を打ち付けて目が覚めた。鬼畜な笑顔が元気いっぱい俺をベッドから投げ落としやがった…!何この回復ぶり!?やっぱ化けモンだこいつ!昨日の俺の心配をかえせっつうの!!
夜になってジェイドが誘って来た。俺が躊躇っていると、何を遠慮してるんです?って挑発してきた。人が心配してりゃこれだもの。ほんとムカつく眼鏡だよなジェイドって。でも、この前酷い事したことだけは謝っておこうとおもったら、そんなことはいいんです、だって。なんで?俺酷い事したのに。理由を聞いたら、貴方にはその権利があるからですよ、…だって。本当こいつわけわかんないんですけどっ。
でも、なんかホッとした。ジェイド、元気になったみたいだ。 でももしかしたらまた無理してるの隠してるかもしれないからな。そういうの、見逃さないよう気にしてみよう。
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○月25日 晴
朝はやく起きるのも慣れて来た。早起きってのも悪くないもんだな。俺、最近ちょっと余裕かも。
ジェイドのことも、だんだんわかって来たんだ。嘘つくと前髪を弄るとか、精神的にまいってる時程淫乱になるとか、ジェイドにとって大事な人が誰か…とか。 全然わけわかんねぇ奴だとおもってたけど…わかってみると案外普通の人間だったんだ。それにジェイドが最近なんだか優しい気がする。あいかわらず嫌味で鬼畜だけど、ちょっと、俺に優しくなった気がする。…きのせいかな?
でも夜、ベットでジェイドに抱きついたら、今日は疲れたから嫌です、ってはっきり断わられちまった。ちぇっ…なんだよ、昨日はあんなに淫乱眼鏡だったくせに…って、あれ?そうか昨日淫乱だったってことは、今ちょっと精神がまいってるってことか?そか。なるほど。
でもジェイド、いつもいったい何を悩んでるんだろう。ジェイドほどの神経の図太い奴がまいるって、そうとうの悩みだよな。あいかわらず俺には何にもいってくれないけど。なんだろう、気になるなぁ。ジェイドが悩むなんて、ピオニ−陛下のこととかなのかなやっぱ。…あ、俺いま陛下にすげー嫉妬した。嫉妬っていうか…あぁ〜なんだよ俺!ジェイドは俺のもんてわけじゃないし!大体ジェイドは陛下の事好きなんだろ!わかってんだよ!
それなのに嫉妬とか、あぁ〜もうなんなんだよ俺!俺ばっかジェイドの事好きみたいでカッコ悪ぃじゃん!!
…みたい、じゃねぇよ。好きなんだ。ジェイドの事好きなんだよ俺…ちくしょー!なんであんな鬼畜で陰険で性悪眼鏡なんか…趣味悪いぞ俺!カッコ悪ぃ!カッコ悪ぃよ…ジェイドは俺の事なんかなんとも思ってないじゃん。本当カッコ悪すぎだろこれって。
あぁ〜もう何もかもうぜぇ!寝よ。
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×月20日 雨
いつもと同じ朝だったのに、今日のこの日を俺は忘れない。
今日、ジェイドに言われた。
ジェイドはいつもと何一つかわらない表情で、いつもと変わらない声色で。
何でも無い事のように俺に言ったんだ。
『死んで下さい』
ショックだった。泣きたかった。
ジェイドにとって俺は、その程度の道具だったんだ。
それが正論だってわかってる。俺がここに居ちゃいけないってことも。でも…ジェイドに言われたって事が…ショック。いや…ジェイドだから言えたんだ。誰も他に言える人がいないから、だからジェイドが代表して言うんだ、皆の代弁者として。だからこれは俺が…やらなくちゃならないことなんだ、皆の気持ちなんだ…そう思わなくちゃいけないのに…泣きたいよ。
皆と顔を合わせづらい。皆も俺に声をかけにくくて困ってる事もわかってる。だから今日は誰ともあいたく無い。ジェイドにもあいたく無い。
そういえば…ジェイドが、いない。
×月21日 曇
眠れないまま起きていると、ジェイドが朝方帰って来た。 やつれた顔で、汚れた服で、あちこち傷だらけで、雄の臭気を漂わせながら帰って来た。きっといつもみたいに街をうろついてたんだ。マルクトの軍服を着たままで、敵国の中を一晩中。よくまぁ、生きて帰ってきたよな…。ジェイドの表情は驚く程無表情で感情の欠片もみえなくて。そのままフラついた足どりで城に入ろうとしたところをガイが発見して驚いて、慌てて屋敷の浴槽に抱えていくのを、俺は黙って見ていた。
あんなジェイドは、初めてみた。香水の匂いのしないジェイドなんて、初めてみた。なり振り構わず人前に現れるジェイドは、初めてみた。こんなに、ヤケになっているジェイドは初めてみたんだ…。
俺の脚は自然とジェイドの運ばれた浴槽に向いていた。ジェイドは、浴槽に髪を弛たわせながら、ボンヤリと天井を眺めてる。俺が入って来た事に気付いてるくせに、全くの無反応。
こっちを見ようともしないジェイドに俺が近付くと、ジェイドは突然言った。
『貴方も私を殺したい程憎いですか?…どうぞお好きになさって下さい。貴方にはその権利が有るのですから』
いつか聞いた言葉の、きっとこれが全文だったんだ。今までの不可解だったジェイドの行動が、その意味が今わかったんだ。自分の犯した罪の罪悪感を、自分の身体を傷つける事で埋めようとする自虐的な自己満足なんだろ…?俺はジェイドの首に後ろから抱きついて、泣いた。泣きながら、抱いた。ジェイドはその間、無反応だった。
あぁ…ジェイドだって平気じゃなかったんだ。ジェイドだってキツかったんだ。 きっと、あんなこと言いたくなんかなかったんだ…。そうか…ジェイドが悩んでいたのは、俺の事だったんだな。ジェイドは知っていたんだ。なにもかも。俺が傍にいればいるほど、ジェイドは辛かったんだ。きつかったんだ。ずっと、ずっときついのを一人で我慢してたんだ。
ありがとうジェイド。辛いのに言ってくれて。
ごめんジェイド。それでも俺、ジェイドの傍にいたいんだ。
俺…やるよ。
きっと俺はその為に生まれて来たんだ。
だから…残された時間、俺、ジェイドの傍に居てもいいかな…?
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△月4日 雨
いつものように目がさめる。今日もここに存在していることに、ホッとする。
俺。ジェイドの事好きだ。
これが人を好きになるっていうことなんだって、気づけた事が嬉しかった。
だから…
まだここに居たいよ…俺。
怖い。
助けて…ジェイド。
怖いよ…。
俺、死にたく無い。
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△月10日 快晴
もう、寝坊の心配なんていらないんだよな俺。
やっぱり怖いよ。
でも…決めた。
逃げないよ俺。
ジェイドはきっつい現実から目を背けずに、ずっと見届けて来たんだ。
だから、俺だって逃げない。
ムカついたり腹たったりいっぱいしたけど
ジェイドのこと、大好きだ。
へへ…会えて本当に良かった。
ありがとうな。
さよなら、ジェイド。
end
ギャグテイストで始まってるくせに
最後、暗いですね(苦笑)
まぁ、うん、ストーリー的にそんなかんじで。
作中ではいつでも余裕の動じない素振りですが、
ジェイド絶対裏では人知れず荒れてたと思うんだ。
それをルークが気付いちゃったりなんかして
ってことがいいたかったわけさ。結局。
2008.09.17