蒼の監獄<玩具>
「はぁ…はぁ…っ」
「どうしたネスティ・ライル。根元まで挿れろと命じたはずだが?」
「お…お許し下さいフリップ様…っ、こんな…こんな大きいものは…」
床に固定された極太の玩具に股がったまま、ネスティは泣きながら訴える。ようやく先端の部分を飲み込んだだけだが、ネスティの身体はそのあまりの太さにそれ以上受け入れることが出来ない。
「挿れるんだネスティ・ライル!」
「は…はい…!」
もう一度強い口調で名前を呼ばれ、ビクンと身をふるわせたネスティは、命じられるままその腰を降ろす。
メリメリ…
「ひッ…ア!」
裂けるような痛覚に浮いた腰を、フリップの杖が殴りつけた。
「さっさとせんか!ちゃんと左手も動かすんだ!」
「は…い…っ」
全身に汗を浮き上がらせ、流れ落ちる涙に歯を食いしばり、ネスティは再び腰を沈めた。太いその茎を握りしめ、強引に体内へと導き入れる。その間左手は自らの陰部を握り、扱く事を余儀無くされていた。だがそんなことをしても後ろに突き刺さる痛みの為に気持ち良くなどはならない。それでも、命じられるがまま無意味に扱き続ける。
ギュプ…ズズ…ズズズ…
数センチずつ、だが確実に、ネスティはそれを体内に飲み込んでいく。
「あ…あぁ…アアアァーーーッ!」
自ら強いる苦痛に堪え切れず悲鳴があがった。だがネスティは浮きそうになる腰を自らの意志で更に沈めていく。
そうしたいのではない。望んでいるわけでもない。ただ、命じられるがままに。
「ひ…ひぃ…いッ…いれ…ました…っ、フリップ様…っ…」
上擦った涙声で報告するネスティを見下した視線で見おろし、フリップは杖でネスティの脚を叩く。
「まだ入りきっておらぬではないか」
「あ…」
床から数センチ程尻が浮いているのを指摘され、ネスティは困ったように視線を泳がせる。
「どうした?ん?全部いれろと言っておるだろう?どうした、出来ないのか?」
フリップが気持ち悪い程優しくそう言い、ネスティの肩に手をかけ、撫でるように摩った。
「も…申し訳ありません…でもこれ以上奥は、もう入らな…ヒアアアアアアアーーーッ!?」
肉体的限界を感じて許しを請うネスティの震える肩に突然フリップの体重が乗せられ、絶叫と共にネスティは床にドスンと尻餅を突く。玩具がネスティの中に見えなくなると同時に、ネスティの腹部が内側から歪に競り上がる。
「入るではないか、この嘘つきめ!」
「あ…あがが…ぐ…っ…」
激痛の余韻に堪えているネスティを背後から抱きかかえ、膝の裏に手を差し込んで脚を持ち上げると、フリップは煥発いれずに手持ちのスイッチを入れた。
ウィ〜〜ン…
「ひ…ーーーーーーーッ!!」
静かな機械音とともに、それはネスティの内側で残酷に回転し始める。
グリュリュリュ…ギチュッミチュっ
「いやあああああああぁぁーーーッ!!」
脚を持ち上げられているネスティはそれから逃れる事が出来ない。バタバタと脚を暴れさせ、手を突っ張らせて身体を浮かせようとするがフリップはそれを許さず、さらに機械の出力をあげる。
「あ、あ、ああああぁッ!!」
唸る機械音と共に白い腹が不自然に脈打ち、ネスティはびくびくと全身を痙攣させた。汗ばむネスティの身体には融機人特有の機械紋が鮮明に浮き上がっている。ネスティが人間ではないその証。
「気味の悪い身体をしおって…」
フリップは舌でその紋様をなぞりあげると、そのまま乱暴に歯を立てた。
「ッア…ッ!!」
プツリと切れた皮膚からはその無機質な模様には相応しく無いような赤い血が伝い落ちる。その色は彼が機械ではない証。
「フン…この出来損ないの機械人形めが」
投げられた罵倒の言葉と同時に、機械の出力が一気にMAXまであげられた。
ヴィ〜〜〜〜〜ン!!
「ひ、ひああああぁあーーーーッ!!」
一層激しく体内を掻き回され、ネスティが絶叫する。
「ふ…どうだ、貴様は人間より機械にされるほうが気持ち良いのではないのか?クク…」
「あぉッ…ぉあっ、あぁッ!う、うぅ…っあ、ああぁッ!」
床に尻をついたまま最奥を乱暴に掻き回され、気も狂わんばかりの刺激にネスティは叫び続ける。
「…こいつを止めて欲しいか?」
「…っ…ぅ…うッ…!」
ネスティは呻きながらも必死に何度も頷く。
「…いいだろう……では止めてやる」
フリップの指が僅かに動き、手元のスイッチを切った。ネスティの腹の中を掻き回していた振動が次第に弱まり、そして止まる。
「は…」
脱力し、自分に凭れ掛かるように倒れ込んだネスティの身体をフリップは冷たく突き放した。
「何を休んでおるのだ?さっさと腰を使わんか」
「え…?」
そして、理不尽な命令を下すのだ。
「機械は貴様の同胞ではないか?ならば丁寧に御奉仕して差し上げろ」
「あ…あの…コレに…ですか?」
「そうだ。下の口のみで、だぞ?」
「………」
フリップや派閥の上層の者達を喜ばせる為になら何度もさせられた行為ではある。だが、相手は玩具、機械なのだ。いくらこちらが奉仕したところで気持ちよくなるはずなどない。その相手に、フリップは奉仕をしろというのだ。
「…さっさとせぬか!」
「は…はいッ」
たとえどんな理不尽でも、従わなくてはならなかった。
ズリュ…
「あ…っ…」
少し腰を浮かせると其所から嫌な音が漏れ、目眩に似た感覚がネスティを襲う。
グブブ…
「ううぅッ…!」
そして浮かせた部分を沈めていく。先程はフリップに強引に入れさせられたが、今度は自力で奥までいれなければならないのだ。
「う、はぁ…うっ…くっ…」
直腸の奥にぶつかる感覚を堪え、ネスティはそれを奥に受け入れようと懸命に腰を動かす。 だが其処はくちゅくちゅと音をたてて左右の壁を刺激するだけで、なかなか奥へと入ってはくれない。
「もっと勢いをつけねば入らんぞ?」
「………はい…」
フリップが意地悪く助言をすれば、ネスティはそれに従うほか無い。もう一度腰を浮かせてズルズルと体内から玩具を吐き出し、今度は勢いをつけて腰を落とす。
ズドッ!
「うあぁ…!!!」
激しい衝撃が内臓を突き上げ、そのあまりもの苦痛にネスティの動きはとまってしまう。首を傾け己の腹部に目をやれば、其処には歪に歪んだ腹が見える。身体が限界を訴えていた。
「何をしておる、もっと動かんか!」
「…は……い…」
だが命令されれば、致し方ない。身体の奥に残る痛みを堪え、ネスティは再び動き始める。できるだけ痛みが少ないようにゆっくりと、でも決して動きを止めないように気を使いながら。
ズリュ…グチュ…ジュブブ…ズルル…
「はッ…はぁ…う、…あっ…くうぅ…」
ただ喰わえているだけでもキツいその玩具を自らピストンさせると、内側が引っ張られたり捲れたりしているのが自分でもわかった。あまり激しく動かすと切れてしまいそうだ。そんな事は承知の上で、フリップは言う。
「……もっと速くだ。そんなのでは『玩具様』は気持ちよくならんぞ?」
「………はい…」
従うしか無いのだ。
「…う…う、うくッ…」
ズチュ…グチュッ、ズプッ! ギチュッ!
「は…ッーーーーー!」
ネスティの動きが、止まる。太い機具を喰わえた其処から、一筋の赤い糸が伝い堕ちる。
「…どうした?」
その様を眺めていたフリップは、口元に笑みを浮かべながら意地悪く問うた。
「……っ…」
なんでもありません、とばかりに首をゆっくり左右に振ると、ネスティは動きを再開させた。
ズ…グジュッ!クチュ!ヌブッ!
ネスティの中に深く挿入され、そして抜き取られる度に其れは次第にその色を赤く変えていく。動く度に走る痛みに涙を流しながらも、懸命に腰をピストンさせる。腸液と内側から流れ出すフリップの排液、それに血液が足された事で滑りの良くなった其処は淫猥な音を立てながら淫らに玩具に奉仕を続ける。
「ふん…切れたほうが動きが良いではないか。流石は真性マゾヒスト一族だな」
「………く…ッ…」
笑いながらそういうフリップの声を聞きながら、ネスティは無言で唇を噛んだ。
「ならば……」
不敵な笑みと共にフリップの指が動く。
カチリ。
「!!」
ヴィーーーーン…
内側の其れが激しく回転をはじめ、ネスティの身体が大きく跳ね上がった。
「や、あ…アァッ!あぅ、ああァッ!!」
急に襲って来た激しい衝撃に、ネスティの身体は反射的に玩具から身を退こうと腰を浮かせる。
「抜くな!続けろ!」
「ーーーッ…」
怒鳴り声を受け、ネスティは抜き取りかけた其れを後少しというところで留める。このまま抜き取ってしまいたい衝動を必死におさえ、もう一度腰を降ろそうとするが…
グリュリュ…!
「ひあッ!うああぁッ…!」
ただでさえ挿入が困難だった其れに激しく動かれたままでは、いくら頑張って腰を降ろそうとしてみても身体が無意識に拒絶反応を起こしてしまい、其れを再び体内におさめる事が出来ない。逆に、少しずつ腰が浮いていってしまう。
「…なんだ、出来ないのか?手のかかるやつめ…」
口元は笑ったまま表向き面倒臭そうに言うと、フリップは先程のようにネスティの背後に回り膝の裏に手をかけた。
「や…お、お待ち下さい…待って……だめ…こんな……いや…ひぃ…っ!やめ…くださ…!」
これからされる事の動揺に、ネスティがガラにもなく取り乱す。普段めったに口答えしないネスティがそれほどの恐怖を感じているという事だった。
「貴様等融機人は好きであろう?こういうのが」
ネスティの脚が宙に浮く。
「ーーーーーー!!」
ズブゥッ!!
「アアアアアアアアアアァッ!!!」
激しく動く玩具が一気に奥まで挿入される。ネスティは喉も裂けんばかりの悲鳴をあげると、身体を引き攣らせるように仰け反った。今の悲鳴はおそらくこの部屋から外に漏れていた事だろう。
だが、そんな声を聞きつけて何事かと部屋に来るような者などこの組織にはいない。その声に反応する可能性があるのはただ一人、だがこの部屋から遠い部屋にいる彼にネスティの声が届くはずはない。
ヴィ−ー−ーーン…
ジュブッ!ギュチュッ!ヌヂュ…グチュチュッ、ギチュッ!
フリップは動き続けている玩具の上でネスティの身体を激しく上下に揺らす。
「ヒィ…!いあぁッ!うぁ、あああぁーーーッ!!」
浅く挿入されれば玩具は狭い入口を強引にグリグリと掻き回し、深く挿入されれば最奥を乱暴に捏ねくりまわす。傷付いた孔へ稼動し続ける玩具による激しいピストン。視界が激しく上下し、その度にネスティの首は人形のようにカクカクと力なく揺れる。
「所詮貴様など…こいつと同じ玩具よ…!」
フリップはネスティの身体を後ろに引き倒した。
「はッ…あがっ…ぐがあぁ…ッ…!?」
反った腹部にグッと玩具の形が浮かび上がる。
グリュ、グリュリュ!ゴリッゴリュゴリュリュッ!
腹の皮を突き破りそうな勢いで玩具が暴れた。
「あ、あああぁッ!お腹が…あ、アアアアァ−ーーーーッ!!」
絶叫するネスティの首に腕をまわし、暴れる身体を更に後ろに倒すと更に鮮明にボコボコとネスティの腹が内側から激しく波打った。フリップはその光景を目を細めて満足そうに眺める。
「貴様は玩具だ…人間様の玩具だネスティ・ライル!」
「アゥ、ア、あがッ…ぐああああああぁぁあーーーッ…!!」
拷問としか言い様のない肉を抉るようなその動きに、ネスティの顔面は次第に蒼白になっていく。
機械でもなく、人間でもなく、機界にも戻れず人間界にも居場所を認められない。監視、隔離、監禁されて生きる融機人ライル一族にとって、その管理者である人間に逆らう事は己の死を意味した。管理者はいつでも自分の機能を停止させる事のできる絶対的存在だった。たとえどんな仕打ちを受けようとも、彼らには逆らえないのだ…。
その夜、ネスティが意識を失い反応がなくなっても、フリップは己が飽きるまでピストンを続けていた。
end
フリップ様とちょっと激しく玩具遊び。でもこれだってやっぱりネスにとっては日常茶飯事だったんじゃないかと思ってしまう。
だってネスだもん、絶対されてるよ(笑)
2004.10.06