蒼の監獄<獣>
「う…」
床に投げ出されたネスティは、衝撃に小さく呻いた。
「締りが悪いぞネスティ・ライル!」
フリップの靴が倒れこんだネスティをつま先で蹴りあげる。既に数十人の相手をさせられたネスティは、その後にフリップを充分に楽しませるだけの肉体を維持していることなど出来なかった。機械でもないかぎり、そんなことは不可能だ。
だがフリップはそれを許さない。
「…し…わけ…ございま…」
虚ろな目で謝罪の言葉を口にする融機人をフリップは杖で殴りつける。
「ぅ…」
ネスティは小さく呻き、それに黙って堪える。そうすることだけがネスティに許された選択だった。
「フン…この役立たずの孔が…」
フリップがネスティの足を掴んで開かせた。
「貴様は人間様を楽しませる事も出来んのか!」
散々輪姦された其処に、フリップの杖が押し当てられる。
「な…」
ゴリッ
冷たい感触がネスティをこじ開けた。
「ーーー〜〜〜〜〜〜っ…ぁ…ああぁッ!」
堪えようと歯を食いしばったネスティだったが、フリップが更に杖を奥に捩じ込むとその苦痛に堪え切れず、悲鳴があがった。性器や張型と違い、ごつごつとした装飾の杖は挿入にはあまりにも適さず、ネスティの体に痛みと負担のみを与える。
「…ふん、やかましいわ」
フリップは杖で乱暴に内側を突いた。
「ッ…!!…っ…、っ…!!」
ごり、ごり、と硬い杖で抉られ、ネスティはその痛みを必死に声を殺し堪える。悲鳴の変わりに溢れおちる涙と、大量の汗。
「勝手に締りが悪くなりおって」
「あゥッ…」
グポン、と杖が乱暴に抜き取られる。フリップに向けて突き出した尻は、ポッカリと開いた孔から精液と腸液を垂れ流していた。痛々しく腫れ上がったアヌスは杖に嬲られ微出血し、ヒクヒクと蠢いている。誘うように淫らに。
「もう何でもはいりそうではないか」
その様を鼻で笑うと、フリップは杖を振りかざした。
「…いでよ、フラップイヤー!」
フリップの詠唱と共に空間が歪み、一頭の召喚獣が姿を現した。獣属性召喚師であるフリップの命をうけ、幻獣界メイトルパから召喚された契約召喚獣、フラップイヤー。犬のような外観でありながらその身の丈は大きな馬程もある獣で、争いごとは好まず回復術に長けた温厚な召喚獣だ。
現れた召喚獣は目の前に弱った生物がいるのを発見し、自分が何故呼ばれたかを把握したように回復魔法をかけようとネスティの上空にふわりと飛び上がる。
「何を勝手な事をしておるか!!」
だがフリップは、そんなフラップイヤーを杖で殴りつけた。
「キャン!?」
子犬のような悲鳴をあげ、フラップイヤーは後ずさる。
「誰がそんな事をしろと言った…!」
フリップは命を下す前にフラップイヤーが動いた事に激怒する。
「フリップ様…なにもそんな…」
「黙れ!貴様ごときが私に口を出すな!」
「うッ…!」
召喚獣への酷い扱いに、召喚師として意義を唱えようとしたネスティをもフリップの杖は殴りつけた。
「キュウ〜ン…」
目の前の横暴な主人の様子に、怒られた犬のように身を竦めて震えるフラップイヤー。主人に対して忠誠というよりは、怯えの色を濃く見せている。どんなに横暴な主人であろうと、召喚獣は主人を選べない。呼ばれてしまった以上、その主人の為に無償で尽くす奴隷のようなものだ。
「ふん…貴様は私の下僕!命令したことだけを黙ってうければよいのだ!」
睨み付けられたフラップイヤーは震えながらフリップの傍で身を低くし、命令を待った。 召喚獣は主人には絶対服従。たとえどんな主人であろうと、服従しなければならない。そうでなければ、元の世界に戻して貰えず、永遠にこの世界を彷徨う事になってしまうから。
「フラップイヤー」
フリップが下僕の名を呼んだ。フラップイヤーが顔をあげ主人を真剣に見つめる。早く命令を受け、早く役目を終らせ…早く帰りたい。そんな心情を彷彿させながら。
「そいつと…交尾をするのだ」
そして、主人の命が下された。
「な…!?」
下された命令に絶句するのは、ネスティだけではなくて。
「…………」
意味は理解出来たが、主旨が理解できず、行動に移れない。フラップイヤーは立ち尽くしたまま途方にくれている。
「何を…ぼさっとしておるか!!」
「ギャゥン!!」
杖でおもいきり頭を殴られ、フラップイヤーが悲鳴をあげる。
「フリップ様、おやめください!」
もう一度フラップイヤーを殴ろうと杖を振り上げたフリップの腕に、ネスティがしがみつく。
「…します、…しますから!だから、御自分の召喚獣を虐待するのはお止め下さい!」
「………フン、ならばさっさと致せ!」
しがみつくネスティを振り解くと、フリップはフラップイヤーの代わりにネスティを殴る。
「うッ…」
殴られたネスティは、よろけてフラップイヤーの足下に倒れこんだ。
「クゥ〜ン…」
フラップイヤーが自分を庇い殴られたその身体を嘗める。ネスティはその鼻先を優しく撫でると、そっと語りかけた。
「いいんだ……こんな思いをするのは、僕だけでいいんだ…」
「キュウゥ…」
「…優しいんだな、君は」
ネスティはフラップイヤーの鼻先をもう一度撫で。軽く口付ける。
「君は自分の役目を真っ当するんだ。僕は…大丈夫だから」
そう言うと、ネスティはフラップイヤーの腹の下に潜り込み、脚の付け根に手を伸ばした。雄の象徴であるそれに触れると、獣は本能のままに反応を返す。
「……大きいな……」
その大きさに、ネスティの表情が曇る。だが、これを受け入れなければこの子は帰れないのだ…するしかない。もともとネスティに選択権などないのだから。
「くくく…いい様だぞネスティ・ライル」
その様を眺め愉快そうに笑うフリップの前で、獣の其れの先端を嘗め、茎を撫で、袋を揉み解し…ネスティは懸命に奉仕をした。奉仕すればする程、際限がないかのように目の前で更にどんどん大きく膨れていく其れに不安と恐怖を感じながらも、ネスティは必死に奉仕を続ける。
充分に其れが大きく育つと、ネスティはようやく奉仕の手を止めた。ここからが、本番だ。ネスティは大きく深呼吸すると、覚悟をきめたようにフラップイヤーの前に四つん這いになり、尻を高く掲げた。
「さぁ…ここだよ…わかるかい?」
フラップイヤーにも分かりやすいように、指を二本、己の孔に差し入れる。何人もに犯され充分に解れた其処からは、ぐじゅぐじゅと音をたてながら白い液体が流れ落ちた。
「おいで…」
潤滑油も、準備も充分だ。後は、ただ耐えればいい。
「ん…」
大きな影が背後から覆い被さり、熱いものが其処に触れる。ネスティは己の尻の肉を掴み左右に押し広げると、できるだけ身体の力を抜いた。
「ぅ……ッあ、…あ…あっ…ああァッ…!!」
メリ、メリ、と軋む身体。成人男性の腕程もある巨大な性器がネスティの孔を押し拡げた。だがそれは受け入れるにはあまりにも大きく、ネスティを苦しめる。
「うっ…うぅッ…ア、ひぃィ…入っ…入らな…アアァッ!!」
必死に力を抜いたり、尻の肉を拡げてみたりするが、大きな亀頭が通過してくれないのだ。自分の力ではこれ以上受け入れることはネスティには不可能だった。フラップイヤーはというと、温厚な生物ゆえ目の前で苦しんでいるネスティを力づくで貫く事が出来ないでいた。その優しさはむしろ、一番太いところで止まってしまい、最高潮の痛みだけを持続させる。
「うぅ、あ…入れ…ッ入れてフラップイヤー…っ!力ずくで、捩じ込んでッ…は、はや…く、お願…ッ!」
ここで止まられるのが、一番苦しい。ネスティはフラップイヤーに必死に叫んだ。亀頭の広がった笠さえ抜けてしまえばなんとかなる、そう思って。
「くっくっく…獣におねだりとはまぁ恥知らずな事だ」
そんなネスティの痴態はフリップをこのうえなく楽しませた。苦しみ、泣叫び、痴態を晒すネスティの姿が、この男には何よりも旨い肴なのだ。頭が良く容姿端麗、召喚の素質もずば抜けたリィンバウムにただ一つの優れた逸材…それが、己の奴隷として醜く乱れる様が。
「苦戦しているようだな…手伝ってやろう」
その姿をいつまでも眺めているのも悪く無い。だが、フリップはもっと激しく乱れ苦しむ様が見たいのだ。この先の痴態が。
「フラップイヤー」
名を呼び、フリップはフラップイヤーに向けて杖を振り上げる。
「キュゥ…!?」
殴られる、条件反射でそう感じ取ったフラップイヤーの身体には力が入り、杖を避けようと咄嗟に後ろ足で地を蹴った。
グボッ…!!
「ーーー!!!」
大きな鬼頭が、勢い良くネスティの中に飲み込まれる。あまりの衝撃にネスティの視界は白濁し、声も出ない。
「…あああああああぁッ!!」
だが、真っ白だった視界が回復してくるにつれ、下半身を襲う激しい痛みと圧迫感にネスティは悲鳴をあげた。通り抜ければなんとかなるなどとんでもない、難関を越えたところで最太部と殆ど変わらない茎が続いている。決して少しも楽になどはならないのだ。
「はぁ…うっ…はぁ、はぁ…入っ……」
ネスティが恐る恐る振り返ると、見た事も無い程に拡がった其処が太い棒の先端を飲み込んでいるのが見えた。 震える手を伸ばし信じられない程に拡がっている己の孔に触れると、その淵をゆっくりとなぞってみる。限界まで拡がり皺が伸び切っているのがわかったが、裂けてはいないようだ。
「…大…丈夫…僕は大丈夫だから、心配いらないよ」
不意に動いてしまった事で相手を苦しめてしまい、すまなそうに見おろしているフラップイヤーの鼻をネスティは撫でる。 この子は悪く無い、何も悪くはないのだ。この子にまでこんな思いをさせてはいけない…ネスティは改めてそう思った。自分と違い、この子には帰る場所がある、待っている者が居る。早く無事に帰らせてあげたい。
「さぁ…帰りたいだろう?」
その言葉にピク、とフラップイヤーが反応する。この世界に呼ばれた召喚獣の誰もが望むその事。何よりも望むその事。その為に、召喚獣達は理不尽な命令に従い悪事や殺戮すらしてしまうくらいだ。主人の機嫌を取る為に。
「遠慮しないで命令を実行するんだ。そうすれば…君の主人は満足するから…いいね?」
「キュウゥン…」
フラップイヤーがペロペロとネスティの顔を嘗め、親愛の意を現す。それは、ネスティの言葉を理解した証。自分が何をするべきなのかを理解した証。
ひとしきりネスティの身体を舐めると、フラップイヤーは上体を起こし前足をネスティの肩の前に着いた。
「う…ッ」
ミシミシッと身体の軋むような圧迫が前進してきた。ネスティの細い腰に太い肉塊がずぶずぶとゆっくり沈みはじめる。
「く…ッ、う、あ、うぐ…ぅ…大…きッ…あ…あうゥッ!」
膝が震え身体を支えていられなくなりそうになるのを脚を踏ん張って耐え、懸命に其れを受け入れる。ネスティの肩ごしには獣の前足があり身体を支えてくれている為、背後から強い力で押されてもネスティの身体は前に動く事はない。
「どうした…まだ半分も入っておらんぞ?」
苦しげに身悶えながら獣を受け入れるネスティを眺めながら、フリップは脚でネスティの顔を踏み付ける。
「全部だ」
「…は…い…っ」
それでもこの大きなモノをすべて受け入れる事を強要される。それは、わかっていた事でもあった。そうしなければこの男が満足しないことは。ネスティはちらりと後ろをむくと、フラップイヤーの瞳をみて小さく頷いた。フラップイヤーはネスティの視線を受け止めると、後ろ足で地を踏み直し尾をパサリと一度振る。
それが合図の様に、フラップイヤーは力強く地を蹴り下半身をネスティに押し付けた。
「あがッ…!?」
ズン、と先端が勢い良くネスティの腹の奥に突き当たる。狭い道を一気に突き抜けた其れは、あっというまにネスティの限界の壁を突き上げた。
「うぐうぅ…っ、深…いぃ…!」
内側からネスティの腹を競り上げる獣の肉。食いしばった歯を鳴らし、身体を震わせながら其れを受け入れたネスティではあったが、それでもまだすべてを飲み込みきれていたわけではなかった。これでは監視するあの男が満足などするわけがない。指示どおり、全てを受け入れてみせなければ。狭い道を押し拡げてここまでなんとか侵入してはきたものの、すべてを納める為にはこの先は強引に道を切り開かなくてはならない。
ペロ、とネスティの首筋を生暖かい獣の舌が舐めた。
「…フラップ…イヤー…?」
ネスティの身体の緊張を解し我が子を舐める獣のように、ペロペロと身体を舐める。甘えるように、謝罪するように。
「…いい…んだよ…。さぁ…」
こんな事は速く終らせよう。そう続くその言葉を読み、フラップイヤーは顔をあげるとカツン、とヒヅメを地に鳴らした。
「うぐ…あああああああああぁァッ!!」
フラップイヤーはそのまま激しい抽挿を始めた。ネスティの小さな孔を使って己の性器を擦りあげての無意味な繁殖行動。拡がりきった孔を太い茎で擦りあげ、性急に己の肉を昂らせていく。
「いぎぃッ…裂け…あぐうぅッ!」
それまでの気を使ったような行為とは裏腹に、激しく突き上げるフラップイヤー。ネスティはもう、我慢できる限界は越えていた。突かれる度に盛上がる腹と、破壊されそうに拡がった孔と、乱暴な抽挿でドスン、ドスンとネスティの腹の奥を突き上げる張り詰めた獣の肉。それは突く度に少しづつ深みへ、深みへと沈んで行った。限界の壁を押し上げ、新たな道を形成するように。
「ヒィ…!…っ…がはッ!…ッ…!」
ネスティは突かれる度に意識が飛び、内臓を引きずり出されるような感触に覚醒する。人のそれと違い性器骨のあるそれはとても硬く、ネスティの骨盤と擦れて激しい痛みを伴った。軋む身体と捲れる粘膜。破れそうに盛上がった己の腹。
「も…少し…ッ…ア!あぐッ!あと…少し…ィッ…!!」
いつしか激しい抽挿は、獣の肉を根元まで全て飲み込む深さに到達する。主人の命令通り、ついにネスティは巨根の全てを身体に納めたのだ。
だが、すべてを納める事が出来たところで、行為は終らなかった。
「う、あ…ああああァッ!ひぃーッ…!!」
フラップイヤーは動きをとめることなく、そのまま抽挿をし続けた。昂り膨張した巨根を先端から根元まで総べて使って、ネスティの狭孔を激しく貫きあげる。
「くくく…貴様は手懐けたつもりでいたかもしれんがな、所詮獣よ…」
本能と欲望で動く下等動物。 そうとでも言いたげにフリップは交わる二匹を見下し笑う。意志を通じ合ったようでも、所詮獣。己の肉欲の前にはそんな恩情も消え失せ本能の侭動くものなのだと。
「ひ、ぎぃ…アぁっ、こわ…壊れ…ッ、ぐあああッッ!」
ネスティの悲鳴とフリップの笑い声を浴びながら、獣の性交は己の種を吐き出すまで続いた。
ぐったりと地に伏せ気絶したネスティの其処は、大きく拡がったまま獣の種を大量にどろどろと垂れ流す。激しく擦られ突かれ、痛々しく赤く腫れ上がった其処がピクピクと蠢きながら、獣の種を垂れ流す。淫猥で不潔で惨めで不様な姿。
「くくく…いいぞ、最高に愉快だった」
最高のショーを観賞し、フリップは言った。
「もう帰っていいぞフラップイヤー」
漸く満足した主人。漸くおりた帰還の許可。
「…………」
だがフラップイヤーはすこしも嬉しそうな素振りを見せず、何か言いたげに恨めしそうに主人を見つめていた。
「送還!」
そして、フリップが杖を振りかざし、まさに送還されようとしたその時。
「な…!?」
驚くフリップの目の前で突然フラップイヤーは地を蹴り、ネスティの上に舞い上がると素早く回復魔法をかけた。柔らかな光が瞬時にネスティを包み、傷を癒す。
「何を勝手な…!!」
殴りつけようと振り上げた杖が、空を切る。杖がフラップイヤーに届くより先に、フラップイヤーはメイトルパへと送還されていったのだった。己のかけた送還によって逃げられたことにフリップはやり場のない怒りを感じ床を杖で殴る。
「…馬鹿イヌめが!!」
自分に逆らった事を許せず憤慨するフリップの声聞きながら、ネスティは暖かな光の中で目を覚ます。
「……フラップイヤー…」
全てを身体に納めたところで、主人が満足などしないことはわかっていた。先読みし、少しでも速くこの苦痛を終らせようと、急くように行為を終らせてくれた。勿論、最後に回復をかけて行く事を念頭においたうえで。…優しい子だ。
「…ありがとう」
ネスティは久しぶりに感じた他者の暖かい心に一筋の涙を零す。絶望しきったこの世界に、僅かな希望の光を見い出すのだ。
この世界で自分に優しくしてくれるのは……皆無ではないのだと。
end
獣属性召喚師っていったら、これははずせないですよねぇ?獣姦でしょうやっぱ!
馬とか犬とかがいいなぁとおもったら、なんとまぁちょうどいいのいるじゃありませんか!(笑)
でも実際、いろんなのとさせられてそうじゃないですか?ネスティくらいになると。見せ物と称して鬼とか悪魔とかともさせられてそうです。いつかその話もかいてみようかな?(笑)
いうまでもなく巨根祭作品。
2007.04.21