海水浴
ここ数日、敵に襲われる事も無く西に向かう一行は穏やかな日々を過ごしていた。
車をひたすら西に走らせていると、ふと左手に現れた海岸の景色。内陸ばかりを走っていた一行にとって新鮮な景色であった。そして、そんなものを見たら当然のようにその海で遊びたがる輩もいるわけで…渋る三蔵をなんとか説得し、この旅初めての海水浴の機会を得た三蔵一行であった。
「うわ～気持ちイイッ�｡」
まっ先に海に飛び込んだ悟空が、連日の暑さには心地良い 水の冷たさに大はしゃぎしている。
「お、泳げんのかよ山猿のくせに」
「うっせーな山猿っていうな！それよりお前、河童のくせに金槌とかいったりして？」
「ざけんなよ猿ッ！オレ様のホレボレするよな泳ぎをみせてやるっつうの！」
続いて悟浄が海に飛び込んで行った。そんな二人に母親の様な微笑みを向けながら、八戒はいまだジープに乗ったままの三蔵に声をかける。
「あなたは泳がないんですか？三蔵」
「くだらん…俺は寝る。馬鹿共が溺死でもしたら起こせ」
「はいはい」
八戒はジープを少し動かし日陰に停めた。今日は日ざしは強いが風が適度にあり、日陰に移動しただけで随分と過ごしやすい気候に感じられる。休むには丁度良いだろう。
「お前も少し休んでおきなさいジープ」
休憩を取る事を理解し、変身を解いたジープが八戒の肩にじゃれついた。
「さて…僕も少し休みますか…」
八戒は既に横になって休んでいる三蔵の隣に座ると、はしゃいでいる二人を遠めに見ながら心地よい風に髪をなびかせた。
「おわッ、キモぉッ！何コレ！？」
「何だ？」
悟空が突如浅い海底を見つめ、激しく後ずさった。悟浄はその視点の先に何が有るのかと悟空に近寄り、目線を悟空の其れに重ねてみる。すると、その先には海底を這うグロテスクな海洋生物が映った。
「あ～～ナマコじゃん」
「なまこぉ？まずそー！食えんの？」
悟空の思考回路は何時でもまず食えるか否か、から始まるのだ。
「やっぱりそうくるのかお前の脳は！いや、でも確かコレ食えるはずだぞ？」
実際食べた事はないが、たしか食べられるという事を悟浄は以前八戒に聞いた事があった。しかしこんなグロテスクなものを好きこのんで食べる奴の気はしれないと悟浄は思う。こんなものを食う奴なんて…
「………！」
ふと、善からぬ思考が悟浄の脳をよぎった。ニヤリと悟浄が口元を歪める。
「お猿ちゃん、…八戒呼んで来い」
「なんで？コレ食うの！？料理してもらうのか？」
「いんや、お前こんなの食いたい？」
悟空は首をふるふると力強く横に振った。よほど腹が減っていれば別だが、できれば悟空でさえ食したく無いと思う程の容姿を持った一物である。
「だろ？俺等じゃなくて八戒が食うンだよ」
「え～！？八戒だってきっと食わないよ！？」
「そう思うだろ？…食うんだなコレが、それはきっと旨そうに食うぜ♪」
何かを想像し一人で笑い出す悟浄に、悟空は不思議そうにきょとんとする。
「 いいから、連れて来いって。…お前も楽しませてやっから。あ、三蔵は起こすなよ？いいか？」
「……うんわかった、呼んでくる！」
悟空は悟浄の意図を理解したのかしてないのか、急に納得すると木陰で眠る二人の方に向かって泳ぎ出した。
「ああ…ナマコですね？」
悟空に半ば無理矢理に連れてこられた八戒は、悟浄の手に乗せられた生物を見て、苦笑しながら言った。急に起こされて、しかも三蔵に内緒で来いなんて、いったい何があったのかと思った八戒だったが、見せられた物の意外さに肩の力が一気に抜けたのだった。子供が採った虫を親に見せたがる感覚と同じなんだろうと八戒は納得した。勿論、虫嫌いの三蔵にこんなもの見せたら銃でも乱射して怒りそうだ。虫ではないが、それ以上のグロテスクさが保証された物体だから。
「食べたいんですか悟空？あいにく僕はこの調理法はちょっと…」
八戒の言葉途中に、悟空は首をぶんぶん横に振って否定する。
「俺はいいよ！それより八戒が食いたいンじゃないかって、悟浄が」
「悟浄が？」
八戒はそのグロテスクな物体を平気で触っているその男に目線を向けた。
「ちょっと悟浄、僕だってナマコなんて食べた事ありませんよ？」
「…だったら食ってみリャいいじゃん♪」
その男はなんとも悪戯そうな目でこちらを見ている。八戒はなにやら嫌な予感がしてきた。
「結構です！お腹も空いて無いですし…僕もう戻りますね」
「待てよ…食わせてぇんだよお前に」
悟浄の腕が戻ろうとする八戒の腕を掴み、その力強い腕はそのまま岩場に立つ八戒を海中に引き摺り込んだ。激しい水しぶきがあがり、服のまま海に落とされた八戒は咄嗟に岩場に這い上がろうとするが、それを許さず悟浄はその身体を後ろ手に締め上げ、岩場に押し付けた。
「ちょッ…悟浄！？…悟空ッ！悟浄を止めて下さいッ！」
突然の悟浄の暴行に悟空に助けを求めた八戒だが、悟空は制止するでもなく二人の乱闘をただ黙って見ている。
「お前だって最近車泊ばっかで溜まってんだろ？」
悟浄の右手が八戒の雄を服の上からそっと撫でまわした。
「い…嫌ですッ…！ちょッ…何考えて…」
「脚押さえろ悟空！」
悟浄の言葉と共に脚の自由を何者かに奪われる。それが悟空の物だと思いたく無くて、八戒は目を閉じて首を振った。そんなはずは無い、自分に懐いていた可愛い弟みたいな悟空だったのに、そんなはずはない、と。
「な…やめて下さい…ッ…悟空が…悟空の前で…！」
八戒とて度重なる悟浄の暴行を受けているだけに、これから悟浄が何をしようとしているかは大体想像がつく。だけど悟空まで巻き込むなんて…許せない。悟浄に対する怒りが八戒にこみ上げてくる。きっと悟空は自分が何をやらされているか把握していない。悟浄に何かで（おそらく食べ物）誑かされているに違い無いと、八戒は自分に言い聞かせた。そう思いたかったのだ。だが悟空のその瞳を見た時、八戒は愕然とする。
「ご…くう？」
好気の眼差し。好奇心とその裏に悪戯っぽさを覗かせている。悟浄と…同じその光。
「大丈夫だよ八戒、俺も見たいもン♪」
そう言って悟空は、それはもう無邪気な笑顔で残酷に笑った。
クチュ…
「は…うっ…んっ…！」
悟浄の指が八戒の蕾にゆっくりと侵入する。海水に濡れた指は、簡単にその根元まで姿を消してしまう。八戒の脚を押さえている悟空の、その目の前で。
「ココ？ココが喰うの？本当に？」
悟空が興味深くその様を覗き込みながら、興奮して言った。
「おー喰うぜ、なんでも喰っちまうんだからなココは。なぁ八戒♪」
「そ…っ、それはあなたがッ…あっ！？」
指が増え、其処が更に拡げられる。
「本当だ、俺の指も入っちゃッた！」
増えた指が悟空の物だと知り、八戒は諦めに似た失望感を覚える。
「…でもコイツ、指なんかより全然デカイけど…？」
悟空は八戒の中を弄りながら、悟浄の手に握られている生物に目をやる。
「大丈夫見てなって。いいか悟空、 その指引っ張ってそのまま拡げろ」
「こう？」
「イッ…！？」
指を挿れられた八戒の其処が歪に左右に拡がる。悟浄はその隙間にもう一本指を入れると、更に三角形にその入口を拡げた。冷たい潮風がすぅっと八戒の粘膜に吹き付け、八戒は身震いした。
「スゴイ、八戒の中までよく見える」
「や…！」
悟空の興奮した声に羞恥心を煽られた八戒は逃れようともがくが、肉体派組の二人には適うわけがない。
「ホレ八戒、いただきます、は？」
悟浄は手にした生物を、八戒のそのクチに押し付ける。ひんやりした感触が直に粘膜に触れた。
「ひッ…嫌…嫌ですそんなッ…！」
「暴れんなって！…なんッ…こいつもかッ！」
必死に抵抗しようとする八戒の身体を二人がかりで押さえ付け、強引に押し込もうとした悟浄だったが、手のなかの生物も突然の身の危険に急に抵抗を始める。緩慢なその身を懸命に捩り、八戒の其処を刺激しながらその生物は後退しようと抵抗する。のんびりと海底を彷徨っていただけなのに、いきなり捕らえられたうえ何をされるかわかったもんじゃない。その生物だって必死だった。
「下等生物のくせにイッチョ前に逆ってんじゃねーよ！」
悟浄は握るその手に力を込めた。すると…
「んン？」
「ひッ！？」
その生物は急に身体を硬直させた。八戒の其処に先端を埋めたまま、石のように硬く、変化したのだ。
「な…何コイツ！？」
「石になっちゃった…！？」
「い…ッ…硬…いッ…！」
身を守る手段としてその生物の持つ特質が硬化だった。波打つように蠢いていたその身を固め、硬く硬直した生物は、周りからの攻撃に耐える硬度と防御力を誇る。その硬さは、その身で釘が打てるほどなのである。
「…ま、これで挿れやすくなった…か？ 」
結果オーライとばかりに、悟浄はその物体を八戒に押し付けた。形の定まった其れは、拡がりかけた八戒の其処に徐々に埋まっていく。
「いッ…やあぁッ！硬いッ…痛い…ですッ！痛…やあッ！」
身を縮めたまま変化したその物体は、随分太い状態で硬直していた。しかし既に先端が埋まっていた為、無理にでも其処を押し拡げて前進しようとする。
ギチ…ググッ…
「やめ…やめて下さい悟浄ッ！こんなの…やッ、痛いっ！ダメ…ですッ！」
八戒が痛みにぼろぼろ涙を流す。ただ犯られるだけでも苦痛をともなうのに、碌に慣らされず、愛撫も与えられず、『石』を捩じ込まれているのと変わらない。思ったよりもザラついた感触、そして予想以上の質量。すべてが不快感。八戒の其処から一筋、赤い体液が伝った。
「お…」
それを見た悟浄の手が、一瞬止まる。
「あっ、なんかもうちょっとで入りそーだよ八戒♪」
だがそんな事はお構い無しに、悟空はその止まった悟浄の手の上から其れを押した。
「あッ…馬鹿…！」
「ヒッ…！？」
メリッ…
「あ…」
ムリュリュッ…ズボッ！！
「嫌ぁーーーーッ！！」
硬い塊が八戒の其処をくぐり抜けた。瞬間的に大きく拡がった其処は、太く硬直したままのその物体を全て飲み込んでしまった。そう、全て。
「あ…やだ…そんな…ひ…嫌…ぁ」
入口がゆっくりと閉じていく感触。ヒクヒクと痙攣を繰り返す八戒の其処は腹部に収縮運動を促し、ゴロゴロした感覚が直腸の奥にゆっくりと沈み込んでいく。
「うわっ、本当に入った！スゲーー…」
「…っのアホ猿ーーッ！」
悟空の興奮した声と同時に、悟浄の拳骨が悟空を吹っ飛ばした。勢い良く水しぶきがあがり、悟空が海水に沈む。
「全部入れるヤツがあるかボケッ！」
「…ってぇなッ！なんだよー！？悟浄だって入れようとしてたんじゃん！？」
「あのなぁ…」
悟浄は閉じかけた八戒の其処に指を突っ込んだ。
「ひィッ！」
だがその指は、八戒の中に埋まった物体を更に奥へと押しやる結果となる。硬い感触が八戒の身体の奥を突き、八戒は背を撓らせる。
「コレどーやって取るんだよッ！？」
「え？」
…そう、取れないのだ。もともと掴み易い物体では無いソレを全て中に押し込んでしまった為に、ソレを抜く事が出来なくなってしまったのだ。
「い…嫌…いやああああぁーーッ！！」
「落ち着け、落ち着けって八戒！」
「もとはといえばあなたが…このまま取れなかったどうするんですかぁぁッ！あぁッ…嫌…嫌ぁーーッ！」
「落ち着けって、ちゃんと取ってやるから…」
半狂乱に成りかかっている八戒をなんとかなだめるように押さえ付け、悟浄はやれやれと溜息をつく。
「コレ…もう取れないのか？」
ようやく事の重大さを理解した悟空が、八戒の其処を指で拡げて覗き込む。小さな蕾の奥に黒い物体がちらちらと見えかくれしている。悟浄が指を押し込んだ為に、さっきよりも奥へと入ってしまっていた。
「…取るしかないだろ…そうだ八戒、イキんでみ！ガキ産むみたいによ！」
悟浄は良い事を思い付いたとばかりに八戒に言った。
「う…ッ！」
下腹部に少し力を入れた八戒は、内臓を圧迫する硬い塊の感触に涙を零す。そして、今自分がしようとしている事が二人の眼前での排せつ行為である事に気付き、突如顔を真っ赤にした。
「そ…そんなこと出来無いですよッ…大体子供なんて…産んだ事あるわけないでしょーーッ！」
悟浄は悟空の覗き込んでいるその孔に指を突っ込んで、僅かに見えている黒い物体を突ついた。
「そんじゃ…しかたねぇな…」
悟浄が八戒の入口を四本の指でぐいっと押し拡げた。
「あうぅッ！？」
痛みに八戒が呻く。
「手、突っ込め悟空」
「うん」
「なーーーッ！！？？」
突然の展開に八戒が動揺して入る内に、すでに其処には一本や二本ではない悟空の指が埋め込まれていた。
ぐりゅ…
「やめ…やめてーーッ！そんなの無理ですッ！入んないですよぉッ！！」
「オレの腕よかマシだろッつの！おとなしくすれって！」
「暴れないでよ八戒！今取ってあげるからさぁ」
「痛いッ痛いーーッ、嫌ーーッ！嫌あぁーーッ……」
スパーン！！ バシーン！！
「はがッ！」
「ひでぶッ！」
「…！？」
凄まじい何かの音に、八戒は驚いて振り返る。
「三蔵…！？」
岸で昼寝をしていたはずの三蔵が巨大なハリセンを手に其所に立っていた。これだけ大騒ぎしていれば気がつかない方がおかしいというものだ。そして八戒は悟空の拳を半分程喰わえたままの自分の姿に気付き、慌てて弁解する。
「ち…ちがッ…違うンです！これは…悟浄が…！！」
八戒は反泣きになりながら、今の変態に近い自分の姿を必死で否定する。否定したところで今の自分の姿を隠す事など出来ないのだが。
「…一体何をやってるんだお前は…」
先程の強烈なハリセンにのびた二人の男の身体を退かし、三蔵は八戒に突っ込まれた悟空の拳を乱暴に抜いた。
ヌポンッ！
「ひゃうッ！！」
八戒がその衝撃に悲鳴をあげる。
「さっさと服を着ろ」
「あ…それが…その…あっ…あッ！？」
ビクン、と八戒が震えた。
「…どうした？」
口籠りながらもじもじとしている八戒に、三蔵が眉間に皺をよせた。八戒は顔を赤らめ、涙を流しながらガクガクと震え出す。
「あう…うッ！ひッ…嫌…ぁ、奥に…入って来るうッ！」
「何？」
「あ…あッ、アッ！だめぇ…ッ！ああぁッ！」
三蔵の眼前で、八戒は身体を痙攣させるように暴れ出した。露になった八戒の下腹部に、その腹の中で何かが蠢いているのを三蔵は見た。
「！？」
「イヤああぁーーッ！」
硬直を解いた生物は、八戒の体内を出口を求めて前進し出したのだ。そして運悪く、その頭は八戒の出口を向いてはいなかったのである。巨大なナマコは、八戒の中を蠢きながら奥へ奥へと突き進んでいく。
「…ちッ…」
三蔵は舌打ちすると八戒の身体を岩場に上げ、脚を拡げさせた。
「三蔵…な…何を…」
三蔵は手甲を脱ぎ、放った。
「黙ってろ」
三蔵の拳が、八戒の其処に押し当てられる。
「三蔵ーーッ！？」
ゴリュリュリュッッ！！
「やあああァーーッ！！？」
突然に三蔵に腕を捩じ込まれ、八戒の身体が激痛に仰け反る。悟空よりも大きい拳が、なんの躊躇も無く一気に捩じ込まれた。切れた其処から赤い血が海面に滴る。
「あああぁッ！うあああぁーーッ！！」
「煩ぇ！」
三蔵は暴れる八戒に構わず腕を進める。 その三蔵の指先に、何かが触れた。
「コイツか…」
三蔵はソレをしっかりと握りしめると、力ずくで引っ張った。
「うぐッ…！あがぁぁッ！！」
腹の中でごりごりと動かれる拳の感触と、何かを握る事でさらに大きく拡げられる腸壁の感覚に八戒は目を白黒させる。その塊が勢い良く内側を引き摺られていくと、内臓の捲れる衝撃に吐き気すら感じる。
ググッ…
「はうぅッ！！」
塊を握りしめたままの拳は大きく 、入れた時の様に其処を通り抜ける事は出来ない。
「嫌…三蔵…もういいです…、ひぃッ……やめて下さい…ッ！！」
八戒が泣きながら言った。
「抜いて欲しいんだろうが、ガタガタいってんじゃねぇよ！」
勿論三蔵にそんな意見が通るワケは無く、三蔵はそのまま強引に腕を引き抜いた。
ゴリッ…ミシミシッ…ズボォッッ！！
「ぎゃあああぁーーーっっ！！」
絶叫と共に、八戒の血に濡れた三蔵の腕は勢い良く抜き取られた。
「…ったく、世話ぁ妬かせんじゃねぇよ」
ピクピク痙攣しながら失神した八戒にそう吐き捨てながら、三蔵は右手に握ったソレを見た。
「……な…っ…なんなんだコレは！！？？」
三蔵は真っ青になって慌ててソレを放り投げた。
ズダーン！ ズダーン！ ズダーン！
哀れ…罪の無い生命が一つ、三蔵の嫌悪感と引き換えに無惨にも奪われていた。
「………で？なんでこーゆー事になったんだ？あぁん？」
三蔵は酷く御機嫌ナナメだった。気持ちよく寝ていたのを邪魔された挙げ句に、気色の悪いものを握るハメになり、大層不機嫌だった。いつもより眉間の皺が増量し、怒りマークの1.5倍になった三蔵の前で面々は正座させられていた。何故か八戒までも。
「だからぁ…悟空が…」
「なんだよ悟浄が最初にッ！」
「悟空も悟空ですッ！」
「あーーーッ煩ェェ！！」
三蔵の怒鳴り声に口論がぴたりと止む。
「なんでオレがあの物体を触るハメになったかって聞いてンだ！その前後はどうでもいい！」
悟浄と悟空は、目をあわせると、はかったように口を揃えた。
「それは、八戒がいじきたなく全部喰ったから悪いンで～す！」
「あっ、二人して酷いっ…！違…違うんですよっ…！」
罪を擦り付けられ八戒は慌てて弁明しようとする。
「そうか…」
「違…ひっ…！」
怒りオーラを放出させる三蔵に圧倒され、八戒は目を瞑って頭を覆った。巨大ハリセンを覚悟する。
「お前等がグルかッ！」
スパーン！！ バシーン！！
「ほべッ！」
「あぶばッ！」
空を飛んだ肉体が二つ、海面に勢い良く水しぶきをあげる。 一瞬自分が飛ぶかと思った八戒はその流星を呆然と見送った。罪無きものを咎めず、三蔵の見事な大岡裁きである。
「殴られると思ったのか阿呆。…ったく、これじゃ何の為の休憩だか解りャしねぇ」
三蔵は一仕事終えたように首を鳴らすと日陰に横になった。
「そうですねぇ…あはは…僕も暫く動けそうにないですよ…誰かさんのおかげで」
「…なんだ？それは助けてやった俺に対してのあてつけで言ってるのか？」
「いえ…そういうわけじゃないんですけど…あはは」
笑いながら八戒は腹の中で力強く目一杯思った。
『でも、だからって…もうちょっと優しくしてくれたっていいんじゃないですかねッ！？（怒）』
…西に向かう一行は今日も敵に襲われる事無く、穏やかな一日を過ごしていた。
end
…なんだコリャ（大笑）eroいのか？と思わせといてこの展開。ていうか、ナマコモノでeroなんて真面目に書けませんて！（笑）そこのアナタ、俺に一体ナニを期待している！？ そんなわけでくだらないギャグ崩れになってしまいました。でも魅夜の作品にしては珍しくないですか？こういうのもたまにはどうでしょう？（どうでしょうて／笑）… なんか情けなくなってきたぞ自分（苦笑）鬼畜な三蔵の右手に一票！（わけわかんねぇ）
2002.12.07