恋のレッスン
「…夕貴さん…っ」
駿は待ち切れずに猛った物を潤の体に押し付けた。
「ん…!待てッ…馬鹿ッ!急に入れる気か阿呆!?」
あまりにも突然のその行為に潤が慌てて制止する。
「え…?あ…そうなんですか?」
男性相手…いやもしかしたら性行為そのものが初めてかもしれないド素人の駿に、潤が溜息をつく。少なくとも、潤は相手を受け入れるという経験は豊富だ。仕方ないな、と苦笑した。
「あのなぁ…急に入れようとしたってダメなんだぞ?」
まぁ、入らないわけじゃないけどね…と潤は腹の中では呟く。
「ちゃんと慣らして、相手に準備させるんだよ!」
「あ、そうなんですね?スイマセン…で、どうやって慣らすんですか?」
「ど…どうって…」
潤は純粋に疑問を投げかけてくる駿に、困ったように目を泳がせる。
「え…えっと…濡らしたりとか…ゆ…指入れたり……とか……っ…」
「濡らす?どうやって?」
「 え!?」
潤の顔が紅くなる。
「な……舐めたりとか……あと…」
恥ずかしい事を口走っている自分に耳まで紅くしながら、潤は目の前の無知な男に手順を説明する。
「こう…ですか?」
「な…あんッ!」
駿は身を屈めて潤の股間に顔を埋めると、半分立ち上がりかけている潤を口に含んだ。
「あ…んッ…違…そ…じゃ…」
「イイですか?」
「……あッ…んんっ…いい…」
其処じゃない、と言いたいのだが、行為の快楽を手放したくなくて潤は何も言えなくなってしまう。駿の舌が潤の裏筋を下から丁寧に舐めあげ、辿り着いたその先端をちらちらと刺激し、そうかと思えばカリ部をしゃぶっていた駿の唇が、急に奥まで潤を包み込む。
「あッ…あッ…森川…っ!」
思いのほか上手い駿に潤は翻弄されてしまう。
「あ、あぁッ…!」
そして、硬度を増した潤のソレは駿の口内に快楽を発射してしまった。駿は口内に出されたソレを、喉を鳴らして飲み干した。
「…も…森川…?」
息を整えながらも、飲み干した駿に驚く潤。
「…こういうのは飲み干すのが礼儀…ですよね?」
にっこりと微笑む駿の笑顔に、潤は恥ずかしくなってくる。こんなに純粋な顔で微笑まれると、こんなガキに何をさせているのかと思ってしまう。
「あ、そうか…これで濡らしたらいいんですね?そうでしょう?」
駿は零れた潤の精液を指で拭うと、奥まった潤の蕾を突ついた。
「ひゃっ…!」
ふいをつかれて潤が声をあげる。
「その前にココも舐めておくのかな?」
「あ…ひッ!」
駿の舌がぺロッと潤の其処を舐めた。
「舐めると気持ちいいんですか?」
「や…んッ、あッ…!」
淵を舌でなぞり、時折中心の窪みを指で突つきながら、駿は潤のアヌスを犬のようにペロペロと舐めた。
「あ…あっ…森川…」
「そろそろ指入りますかね?」
駿は突ついていた指をぐっと窪みに押し込んだ。
「あッ!…ん…ん」
駿の指は潤の中にくぷくぷと飲み込まれていく。
「入りましたね…で?」
「……で、…って…?」
「このあとはどうするんですか?」
「……ーーッ…」
中途半端に指を入れられたまま中断されて、潤が焦れったそうに脚をぴくりと震わせる。
「指…動かして、…も…もっと奥まで入れ…アッ…!」
「こうですね?」
急に奥に押し込まれ、動き出した指に潤の声があがる。
「あ…そう…んッ…奥…アッ!」
くりくりと潤の弱い所を掻き回す指に、潤が気持ち良さそうに喘ぐ。駿はそんな潤を満足そうに見ながら、潤の耳元で囁く。
「…そろそろ挿れてもいいですか…?」
「ん…ッ…ま…まだ…ダメッ…だ!」
潤は必死に首を振って、正気に戻る。
「指…あ…慣れたら…少しづつ増やして…んぁッ…!」
言うが早いか増やされた指は、駿も焦ってきている事を物語る。
「もう一本挿れますよ夕貴さん」
碌に二本に慣れないウチに、駿は指をもう一本増やした。
「あひッ…!?」
強張った潤に構わず、指を掻き回す。
くちゅ…くちゅっ…ちゅくっ…
「あく…ッ…ん!いッ…」
痛みを感じて潤の表情が少し歪む。
「それじゃもう一本…」
「な…!?」
蠢く指の束に小指が添えられて、潤は慌てて声を張り上げた。
「ば、馬鹿ッ何本入れる気だッ!!」
「えッ?」
驚いて駿の動きが止まる。
「何本挿れるものなんですか?」
「さ…三本が普通限界だ馬鹿ッ!腕まで突っ込む気かよッ!!」
「あぁそうか…!なんだ、そういう事は先に言っといてくださいよ」
あはは、と笑った駿に、はぁ、と潤は溜息をつく。
「………じゃ、そろそろ…いいですよね?」
うなだれた潤の耳元で、妙に熱っぽさをふくんだ吐息混じりの声が吐き出され、潤の鼓動が高鳴る。覆い被さってきた駿が少し自分よりも体格が良い事を実感しながら、潤はこくりと頷いた。
「……ホラ……来いよ…森川」
潤は恥ずかしそうに脚を開くと、熱く蠢いている秘部に指を当て、くいっと軽く押し開いて見せた。
「ん…あ…ーーーッ!」
押し込まれた熱さに潤の息が詰まる。ずっと堪えてきただろう駿は、思いのほか熱くて、意外にも逞しくて、つぅっと涙が一筋伝う。
「… 痛いですか?」
「…っ…くり……もっとゆっくり入れろ…ッ!」
駿の背にしがみついた潤の手が、痛みを駿に訴えかける。駿は潤の言う通り、ゆっくりと腰をすすめる。駿を包み込む潤の肉がじわじわと収縮を繰り返しながら駿を飲み込んでいく。
「…あッ…」
感極まった駿の声があがる。
「ん…だいぶ慣れた…少し…動いていいぞ…んッ、ゆっくり…な…」
「は…い…!」
ず…くちゅ…ずちゅっ…
「あ…あっ…ん…森川…」
潤が気持ちの良さそうな声をあげる。ゆっくりと潤の好きな所を擦ってやると、かん高い喘ぎ声をあげ、腰を揺らめかせる。
「あ…夕貴…さんッ…オレ…」
だが駿には、焦れったい程の、快楽のお預け。ずっと堪えていたものを、更に堪えさせられるような、我慢の限界。
「………すいません、無理です!!」
駿は一言謝ると、腰を大きく突き入れた。
「あうッ!?」
快楽に浮かれていた潤の体が跳ねる。
「ちょ…っ!?」
「動きます!!」
「ッあ…っ!?」
押さえ込んだ潤の腰を、駿は勢い良く突き上げ始める。
ズプッ!ヌ…グチュッ…ズブッ…!
「うあゥッ!?んぁッ、はッ…ん!」
仰け反る潤の、駿の背にまわした手に力がこもる。
「痛いですか…ッ?」
「うッ…あ…んッ…」
潤が涙を滲ませながら、顔を背ける。だが、その口からは拒絶の言葉はなく、甘い官能の声が漏れる。
「気持ち良いですか?」
「あ…っ」
耳元で熱く囁かれる駿の吐息に、くすぐったそうに潤が身を捩る。
「感じてますか…?」
「……ッ……いちいち聞くな馬鹿ッ!!」
潤が恥ずかしそうに怒鳴った。
「くすっ…夕貴さん…可愛いv」
「……なーーーッ…あ、んッ!あぁッ!」
怒って言い返そうとした潤の言葉を塞ぐと、駿は潤の大好きな箇所を何度も激しく突いた。
「あッ…森川…ぁ…ッ!」
「夕貴さん…ッ!」
ビクン、とどちらからともなく体が震え、二人はきつく抱き合ったまま快感の絶頂を迎えた。
「……森川…」
「はい…?」
息をきらしながら、潤がトーンの低い声で言った。
「お前……本当は知ってたな…?」
「えっ…!?」
駿が苦笑いしながら狼狽える。
「…そうだよな、良く考えたらお前彼女いるじゃないか…知らないわけないよなッ!?」
あきらかに怒りのこもっている潤の声に駿は動揺する。
たしかに、相手が男かどうかは別として、経験がなかったわけではない。ただ、照れながら必死に教えようとする潤が可愛くて、思わず意地悪をしたくなってしまったのだ。
「いや…あの…そのッ…可愛くて…つい…わぷ!」
「言い訳無用ッ!!」
ボフッ! と枕が駿の顔に投げ付けられる。
「…明日は運転しないからなッ…!」
「そ…そんなぁ…そんな事いわないで下さいよぉ!」
「案内も通訳もしないからなッ…!」
「夕貴さ〜ん!!」
困ったように縋り付く駿を振り解くと潤はシャワーを浴びにふらふらと立ち上がった。
「夕貴さ…」
「ついてくるなッ!」
ぴしゃりと戸を閉められ、駿は怒られた犬みたいに身を竦めた。
「……でも夕貴さん……そんなところも可愛いですよ…」
シャワーを浴びるゴキゲン斜な恋人のシルエットに、駿はくすっと笑いかけた。
end
ちょっとドキドキ初体験?(笑)誘い受けな潤様です。結局駿にいいようにあしらわれてたって感じですかね?駿がなかなかイイ性格していますね(笑)
とにかく、幸せな二人なのですv
2003.01.12