「せ…刹那!?」
何を驚いている」
「何故僕に触れる事が…?僕は今、意識体のデータなんだぞ!?」
「実際に触れているんじゃ無い。
俺の意識が、お前の意識に触れているんだ」
「…なるほど、それもまたイノベイダーの能力なんだな」
「そういうことだ」
「…で、何をしている…?」
「服を脱がせている」
「いや、それは見れば理解できる!
だから何をしようとしているかと… 」
「お前を抱こうとしている」
「なっ!?何故、いま、ここで!?」
「どうしても、今、ここでだ」
「全く理解出来ない!今ここはガンダムの中で僕達は…っ」
「二年前、お前の肉体が殺された時」
「!」
「また…仲間を守れなかったと思った。…悔しかった」
「………」
「もう人間のお前に会えない事を…俺は淋しく思った」
「刹那…」
「そんなお前が…突如、人として再び俺達の前に現れた」
「あぁ、来るべき対話の時が僕を…」
「…のに」
「?」
「俺が目覚めた時には…もう、お前は居なかった」
「……あの時はそうするしか無かった。刹那、お前を助ける為には…」
「人は一度しか死ねない。なのにお前は、俺の前で…二度も死んだ」
「…僕は、人間じゃ無い」
「お前は確かに人間だった」
「刹那、人としての僕は…二年前に朽ちた」
「………」
「僕はイノベイド。今の僕は、純粋な『データ』なんだ。
人として人間と共に生きる事は、もう…」
「…わかっている」
「わかっているなら…こっ、この手…いや、意識の拘束をいい加減解くんだ刹那!」
「断わる」
「何!?」
「…嫌なのか?人の時は、よくした」
「し、した…けれどもっ」
「久しぶりに戻って来たお前に…俺は一度も触れられなかった」
「…もしかして、その事を怒っているのか?」
「怒ってなどいない」
「いいや怒っているだろう」
「お前とわかり合いたいだけだ」
「い、いや、もう充分わかり合っているつもりだが!?」
「もっとわかり合うべきだ…」
「ま、まま待て刹那!冷静に状況を判断しろ!」
「俺は冷静だ」
「僕は今、この大きさなんだぞ!?」
「わかっている」
「だったら!」
「問題ない」
「 なっ」
「お前は肉体を持たない。肉体が傷付く事は無い」
「そ、そうだけども!」
「ただ、心で感じれば良い」
「し、しかし!体長177cmの時のナニcmに対する感覚を、
今の僕の体長に対するソレに変換すると…」
「ティエリア、お前と触れ合いたい」
「だから待て!まっ…!?無理だ!刹那、無理だッ!!」
「無理じゃ無い」
「そんなのは入らない…!不可能だ!」
「不可能じゃない」
「しかしっ…」
「理屈じゃ無い、感覚だ」
「刹…なっ…あ!?うわ、うわああああぁッ!?」
「ティエリア、力を抜い…っ」
「あああぁッ!太ッ…太すぎィッ!痛い痛いイタイ!!」
「大丈夫だ…少しづつ、入っていく」
「ひッ…ぃ、そんな、入って…!? こんなっ…こんなのは、認めない…っ」
「肉体じゃ無いお前なら、充分に可能だ。
俺を受け入れる意思さえあればいい」
「…つな…ッ、苦し…っ!」
「拒むな。心が俺を受け入れれば、俺達は一つになる。
そうだ、これが…これこそが、ガンダムだ!」
「ちょ、全く意味がわからない…っ!?」
「もっと深くわかり合いたい」
「やめえぇぇッ!これ以上無理ぃィッ!!」
「そんな事は無い、大丈夫だ」
「ひぇッ!?動ッ…ダメ、だめだッ、刹那…ああァ!抜い…っいぎぃィッ!」
「意識を拒むなティエリア」
「あがぁッ!?だめだ、さけるぅっ!裂けるぅぅッ!!」
「裂けない」
「 ぐっ…がァッ!ひいぃッ壊れっ…!!」
「壊れない」
「だ、めっ死ぬ…ゥッ!」
「もう死んでる」
「ひぎィッ!意識が…っ、もう、耐えられな…ッ」
「お前なら、耐えられるっ…!」
「データ、がぁっ、意識データが飛ぶッ…破損するッ…ぅ!!」
「大丈夫、どうせヴェーダにバックアップがあるっ…!」
「うああぁァらめっ…らめぇぇ…!!もぉ、保持できな…ッ!!」
「刹那・F・セイエイ…出るッ!!」
「ほげぇ!?…いぎゃああああああぁぁッ!?」




 

〜in ヴェーダ〜

「……ティエリア?ティエリアってば!?」
「…………」
「急にフリーズしちゃうなんて、どうしたのさ一体?」
「…………」
「ガンダムに転送した意識データになにかあったの?」
「…………」
「もぉ仕方ないなぁ。ちょっとティエリアの意識に繋いでみようかな」
「…リジェ……だ…め…」
「うん?……………な、なっーーーーーーーーーーーーッ!?!?」

強制終了。


2010.10.04



覗き癖が災いしてとばっちりなリジェネ。
最終的に刹那、かなり酷いコト言ってますが気にしない。
あんな妖精ティエリアにコックピット内うろうろされたら
こういうことされちゃっても仕方ないと思うんだ。
ティエリアもソレを覚悟した上でついてっているんだよ、きっとそうだよ。

ほら、ラファエルは『神を癒す』天使だものね?(笑)

 

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