「ジェイド、お前な…っ!」
「おや、何か御不満で?」
身体を起こそうとしたピオニ−の肩を
ジェイドの脚が押さえ付け、ベッドに押し戻す。
「脚どけろ! ていうか、腕ほどけッ!」
「お断りします」
横たわる身体に跨がったジェイドは、
主人を見下ろし微笑する。
身体を拘束し動けないピオニ−の上で
自分の好きな深さで、自分の好きな角度で。
その一部始終を見せつけ、興奮するピオニ−を見下しながら
優越感と支配欲に浸る。
「ふふ…悪く無い眺めでしょう?」
お互いに。
「アホかっ!つうか、これじゃ生殺し…っ」
疼く身体に我慢を強いられ、思い通りに動けぬもどかしさ。
目の前にはそそり立つ己を喰わえ込み淫らに上下するいやらしい腰…
煽るように扇情的なこの眺め。
ジェイドの中でピオニーの自我が激しく主張し始める。
「んっ…」
ピオニーの変化にジェイドが眉を寄せる。
「…あまり大きくならないで下さいます?顔踏みますよ」
どうやら彼のお気に入りの大きさを越えたらしく、不満げな声。
「無茶いうなっっ!おまっ…うぶっ」
そう言った時には、すでに王の顔には家臣の足。
「お…まえなっ!不敬罪!不敬罪だぞッ!」
「何を仰います、ちゃんと敬ってますよ」
ジェイドは足をよけると今しがた自分が足蹴にしたその顔を舌先で舐めあげ、
驚いて半開きになっている唇に噛み付くように口付けた。
「ほら…ね」
そして、 腰を揺らしはじめる。
「ん…ぁ」
くちゅ、ぐちゅ、と淫猥な音をたて、
ジェイドの身体が上下する。
だがそれはあくまでもジェイドにとって好きな動きであって、
ピオニ−にはもどかしく焦れったいだけ。
「ひっ…ぁ…」
身体の熱を堪える声がピオニ−からもれた。
それを見てジェイドの顔が意地悪く笑う。
「良いんですか?声…もっと出して下さい陛下」
「あ…あのなっ」
まるで、逆。
「これじゃ…俺が犯されてるみたいじゃねぇかッ!!」
肉体こそ確かに攻め側ではあるものの、
主導権は微塵も無い完全な受け身。
一国の王とその家臣としては有り得ない程に、
その関係は逆転していた。
主従関係など欠片も感じさせない。
「…いかがです?」
ジェイドの熱い吐息がピオニ−の耳に、囁く。
「こういうプレイも悪くないだろ?ピオニ−…」
「!」
不意に発せられた砕けた口調。
ただの幼馴染みで居られた
あの頃のような。
「お前…反則」
「ふふ…v」
苦笑する王を見おろし、ジェイドは悪戯な笑みを浮かべた。




ボコ題『マウントポジション』にSSをつけたものです。

2008.01.31

戻る