「あ…あああ…ジェイドの…ジェイドのが私の顔に…」
「はっ…はぁっ…」
ピオニーはぐったりとしたジェイドの首筋に口付けをしながら、
そんなジェイドの姿に興奮状態で息を荒くしているディストに声をかける。
「よーしサフィール。今度はお前も動いてみろよ」
「えぇっ?でっ…でもっ」
「あぁ…そっか、その体勢じゃ無理だな」
ピオニーはジェイドに覆い被さるように前屈していた身体を起こした。
「あぐッ…!?」
中にくわえたままのピオニーがぐいと後ろに反り、
その刺激にジェイドの身体も呼応するようにビクンと後ろ反りにる。
ピオニーはその身体を左手で支えると、右手でジェイドの 右足を持ち上げた。
「サフィール、左持て」
「え?」
よく分からずに、ディストは言われるままジェイドの左足を抱えた。
「右回りでいくぞ?」
「は、はい?」
「な!?」
瞬間的にその意味を察したジェイドがハッとして顔をあげる。
「やめ…」
「せーの…!」
制止させようと声をあげる前に、行動は実行された。
「ッ…ああああああぁッ!!」
ぐりゅぅ…とジェイドの身体が回転する。
二本の性器を喰わえたままの其処が、
粘膜を捩られながらその向きをかえさせられる。
前後に拡張されていた其処が、強引に左右、そして再び前後と。
ピオニーとディストがジェイドを挟んで丁度先程とは逆向きになった。
「ほら起きろ!これで動けるだろ?」
「は…はい…」
床に横になっていたディストも身体を起こす。
動き易いように、と。
「う、うっ…うぐぅ〜ッ…」
先程の余韻覚めやらぬまま急激に向きを変えられ、痛みに表情を歪ませながらも
目の前に現れた小憎らしい皇帝を、ジェイドが睨み付けた。
「死んで下さい…いいえ殺します。むしろディストから殺します」
「ええぇそんなぁ!?」
その表情は、明らかに怒りが見える。
冗談にも聞こえない言葉を発するジェイドに
ピオニーは悪びれも無く口付けた。
「何いってる、気持ちよかったんだろ?イッてたじゃやないか」
「気のせいです!」
あんな暴行でイッた事など、ジェイドは認めない。
「はいはい、気のせいね」
否定するジェイドに、ピオニーがまた口付ける。
「んッ…」
戸惑う程に愛しげな口付け。
「それじゃあ気のせいかどうか、確かめてみようじゃないの」
そして、裏腹に鬼畜な発言。
「なにしろ今度はさらに倍だからな」
「あ…」
ずり…、と内側を擦られ、ジェイドの全身に鳥肌が走る。
今から又、其れが動き回るのだという事を、
嫌でも理解させられる。
「それじゃあ…いくぞサフィール!」
「は、はい!」
「ちょ、ちょっ…!?」
二人の腕が、ジェイドの腰を前から、後ろから押さえ込む。

「あっ…あぁッ!!」
最初に動き出したのは、ピオニー。
ジェイドの前側を引っぱりあげながら、ズルズルと己を抜取りにかかる。
「やッ…!」
すぐに、ディストも。
恐る恐る動いているように、ゆっくりと慎重に、
ジェイドから己を引き抜きにかかった。
「ひィッ!?」
そしてディストが抜き終らない内に、ピオニーが挿入し始める。
「う、あ、ああぁッ!」
後ろは外に引っ張られ、前は内へと引っ張られ、
逆の動きで粘膜が引き攣り、腹の中で捩られる。
まるで、其処を壊そうとするかのような動き。
「やめ…て、くださ、…やめ…」
ようやくディストが侵入を開始する頃には、
ピオニーは既に外へと向かっていた。
「やッ…アアァッ!」
ピオニーの放ったモノで滑りのよくなったその中は、
窮屈とはいえ動くのには充分だった。
最初はゆっくりと動いていたディストも、
次第に大胆に豪快な動きになってくる。
「いっ…痛…い!裂け、るッ!痛…っ!」
先程ピオニーひとりだけが動いていただけでもかなりの激痛だったというのに、
今度は、ディストまでもが動いているのだ。
「ひいっ…ィ!やめ…っ、やあぁッ!!」
一人ならば、そう嫌いでもないはずの動き。
だが二人同時ともなると、刺激も痛みも強すぎる。
「や、やめろっ…て!やっ…やあぁッ!ピオニー、も…っやめ…て…っ!」
「どうしたジェイド…今日は可愛いじゃないか」
「ひっ、はひッ…ひぃっ…ぴお…にっ!」
減らず口を叩く余裕も、 言い返す嫌味を考える余裕も無い。
「気持ちいいですか、ジェイドっ、ジェイドっ!」
センスの欠片も無く、ディストは辿々しくもただ乱暴に激しくジェイドを突き上げ続ける。
「ああぁっ、ジェイドっ!私のじぇいどぉ〜!!」
「嫌、ぁ…!さふぃー…るっ…あ、ああぁッ!」
快感などと呼べるものがそこにあるのか理解出来ない。
全身に走る鳥肌と、浮き上がる汗、そして涙。
ジェイドが認識出来るのはそれだけだった。
「本当に、壊れ…る…ッ…ぅ!」
前から、後ろから、激しく突き上げてくる二人の男達。
「も、う嫌だ!嫌…やああぁッ!!」
ピオニーの身体に縋り付きながら泣叫ぶジェイドの身体を、
遠慮なく、容赦なく、突き上げ続ける二本の凶器。
互いを擦り合ながら、突き上げる度にぶつかり合い、
右に左にとジェイドの中でポジションチェンジをする。
「ジェイド…っ」
「じぇいどぉッ…!」
それぞれ勝手なリズムの違う突き上げは、
次第にその足並みが揃い、勢い良く同時にジェイドを突き上げた。
「あッ…がッ!!」
二本同時に最奥まで一気に貫かれる衝撃。
それはジェイドの意識を真っ白に吹き飛ばした。





「…ヤバい。流石にやりすぎた…」
「ど、どどどどうするんです…!?」
ぐったりとしたジェイドを前に、男達は急速に現実に引き戻される。
調子に乗り過ぎた。
珍しく取り乱すジェイドに興奮し、欲望の欲するままに責め続け、
その結果、ジェイドは堪え切れなくなり失神。
それをみて、男達は目が覚めた。
自分達がとても恐ろしい事をしたと言う事に気がついたのだ。
いまは眠っているジェイドだが、目が覚めたらどうなることか…。
「サフィール、お前がとっとと白状しないからだぞ!?」
「な、何を言っているんです!?大体あなたが始めたのでしょう!?」
まるで罪のなすりあい。
ジェイドが気がついた時に、どうやって己の身を護ろうかという生贄探し。
「う…」
その時、ピク、とジェイドの指先が動いた。
「!!」
男達は、これからおこる恐怖におびえ、咄嗟に抱きつきあう。
「痛…」
だるそうに寝返りをうち、ジェイドはゆっくりと上半身を起こした。
「あ…あの…だ、大丈夫ですかジェイド…?」
ディストが恐る恐るジェイドに声をかける。
「身体が…痛いです…」
抑揚の無い声でそう言うと、ジェイドは痛む箇所にそっと手を伸ばす。
熱く脈打つ滑る其処は、強引に酷使され
真っ赤に腫れて血が出てしまっていた。
「そ、そうだな?今日はちょっとやりすぎたよな?はは…」
「血が………」
ジェイドは手についた精液と腸液と血液を見つめる。
「ごごごごめんなさいジェイド! 」
「悪い!ホント悪かったジェイド!このとーり!」
青ざめた顔で泣きながら必死に謝罪する罪人と共に、
一国の王ともあろう男が、必死に土下座で頭を地に擦り付ける。
それほど、恐れているのだ。
「血が出ました…」
平謝りする二人を見おろしながら、
ジェイドは穏やかな微笑みを浮かべて言った。
「これは…早急に治療をしないといけませんねぇ」
カチャ…
ジェイドは、眼鏡を外して床に置く。
「癒しの光よ… 」
ジェイドの口から聞こえたのは、何かの呪文の詠唱。
「ちょっ!?」
「じぇ、じぇいど!?」
それは、癒しの呪文で。
ジェイドにとって禁断の、第七譜術。
眼鏡を外した状態でそんなものをとなえれば…
「ごごごごめんなさいジェイドーーーーーーーッ!!!」
「うわわわわやめろーーーーッ!?」
だが時既に、遅し…。
ジェイドは薄笑いを浮かべたまま、
呪文の最後の言葉を、紡いだ。



その日、マルクトの牢舎は原因不明の火事で焼け落ちたという。









2009.08.02

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