「お前の力を貸せよ、ノイン…」
その言葉から始まる、地獄。
「う…っ…ぐ、ふぅ…っ!」
躯の内側をおぞましい虫が這い回る度、
ノインの頭から、何かが薄れていく。
「ふぐっ…う!」
忘れそうになる『何か』を護るように、
ノインは必死に頭を振り、抗う。
「驚いたな…まだ、意識があるんだ?」
洗脳虫の数が、増やされる。
「うっ、ぐゥーッ!」
巨大な成虫が下から侵入し、
ノインの躯がガクガクと痙攣する。
「従うしかないんだよ…お前は理想に破れた人生の捕虜だ」
必死につなぎ止めようとする意識の糸を切るように、
言葉の刃は彼を斬り続ける。

「手に入らないなら壊してでも手に入れる…怖いだろ
?あの人は」
内臓を擦られる度に、躯を揺らされる度に
ノインの頭の中は、別の記憶に置き換えられていく。

「ぐ…っ」
脳裏に浮かんだはずのなにか大切なものが、
思い出せない。
忘れてはいけないはずの顔が、
思い出せない。
誰かと交したはずの約束が、
思い出せない。
「…くは、…僕…は…ッ!」
誰なのか…もう、わからない。
「堕ちろよ。惨めに」
「ーー!」
その言葉が、『ノイン』の最後の記憶。
傍観者は、がくりと頭を垂れた廃王子に近付き、
耳元で囁く。
「お前はこれから暗殺者として、王を…父親を殺すんだ。いいな?」
ゆっくりと顔をあげ。
「…………はい…ラディウス様」
そして彼は、生まれ変わる。



ノインの為に造られたという洗脳虫。
『躯じゅうの穴から動けぬノインの躯を蝕んでいく』ですよ?
それってこう↑以外になにがあるんですか? ないでしょう!
実際のものより随分巨大なのはほんのサービスです(笑)
三種類いるようにみえるのは 幼虫、成虫、最終形体的な感じでw
…あ、
洗脳虫「細長い足」ってかいてあるね?
明らかに形違うなこりゃw
まぁいいや。挿れ易い形が正解で(笑)

もちろん、本編の途中で正気に戻りかけた時
ラディウスに無理矢理連れ戻されたあとは再びこう↑です。
まぁ当然ですね(笑)



2010.05.20

 

 

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