「迎えにきたよ部長」
「…………」
聞こえた声に手塚は何の反応も無い。
「寝てんの?……なんだ、起きてるんじゃん」
「……………」
近付き顔を覗き込んで来たリョ−マを、手塚は瞳だけを動かして見た。
「その様子じゃだいぶまいってるみたいだね」
「………越前」
手塚は床に転がされ脚を開いたまま、すでに閉じようとする意志もない。
そんな余力も残ってなどいない。
リョ−マは大きく開いた手塚の脚の間にしゃがみ、中心を覗き込んだ。
「…奥までまるみえだよ?」
何十人、いや桁が一つ増える程の人数によって酷使された手塚のアヌス。
痛々しくも腫れ上がり、綺麗なピンクいろだっただろう其所は内出血で黒ずみ、
容赦なく激しく出挿された為に粘膜が捲れ上がってしまっている。
「あ〜あ、こんなんなっちゃって…」
ポッカリと空いた空洞にふぅと息を吹き込むと、内腿の筋肉が僅かに緊張して震えた。
だがそれ以上の過敏な反応は無い。
くちゅ…
リョ−マの指が痛々しく拡げられた孔を更に押し広げる。
ぐにゅりと口を歪ませ変型する其処はとても軟らかくなっていて、熱を帯び熱い。
リョ−マの指先が、ぬめる空洞に潜り込む。
ぐちゅちゅ…

「…ぁ……」
いとも簡単に、其処はリョ−マの拳を一気に飲み込んだ。
手塚は僅かに声を漏らしただけで、暴れるでも喚くでもなく、
ただ、無抵抗に其れを飲み込んだ。
「すごいね部長…簡単に腕入るンだね」
ぎゅちゅ…ずちゅっ…ずっ…!
「…っ……ぁ………!」
わざと乱暴に、手塚の腸腔をリョ−マの拳が抉りあげる。
だが手塚は時折小さく呻く声を漏らすだけで、無反応に近い無抵抗。
それもそのはず、先程までもっと大きな拳で散々突き上げられてきたのだから。
何度も失神し、そして意識が戻っても尚終らない暴力の最中で、
叫び疲れ泣き疲れ、体力は朽ち果て思考回路も半停止状態。
手塚はもうすでに痛覚も快感も何もかも、麻痺しきっていた。
「ふーん……もう俺の手なんてなんとも感じないってワケ?たいしたもんだね」
「…………越……前」
虚ろな手塚の瞳から透明な雫がひと粒落ちる。
泣き尽くした為か、もうそれ以上涙が出てこない。
どうして、こんなめにあわなきゃならないのだろう…?
手塚はリョ−マに内臓を突き上げられながら、ぼんやりとそんな事を考えた。
普通じゃ考えられない仕打ち。常識を卓越した凌辱。
手塚の威厳もプライドも何もかも叩き壊す絶対的な暴力者。
なんで彼はこんなことをするのだろう…?
今までそんな疑問が浮かばなかった事の方が不自然なのかもしれないが、
そんな事を考える余裕すら無かったのだから仕方が無い。
彼は俺が嫌いなんだろうか…だからこんな…
それが一番の納得の行く理由である。
だが、手塚は即座にそれを自ら否定した。
いや、違う…彼は嫌いだからこんなことをするんじゃない…
それは意味も無い否定ではなかった。
手塚の記憶が、それを証明するのだ。
だって彼は…俺に、
『好き』
って、言ったんだ…
手塚の意識が数日前の記憶に遡る。



『俺、アンタの事好きかもしれない』
部活の帰り道、珍しく桃城を先に帰らせたと思ったら、
越前は突然そんなことを言い出した。
「…そうか」
「そう」
特に何も感じなかった。
勿論、嫌われるよりは好かれる方が良い、そのくらいは感じたが。
だって、それが何を言わんとしているか、その時はわからなかったのだ。
「…淡白だね、アンタ」
「…そうか?

「そう」
「…………」
何と言って良いのかよくわからない。
ありがとう、とでも返すべきだったのだろうか?

「俺、好きっていったんだけど?」
「…あ、あぁ…わかっている」
好きと言われる事は初めてでは無かったが、
大体相手が一方的に自分に好感を持ってくれている事を告げ
それだけで満足して気恥ずかしそうに走り去ってしまう、
いつもそこで終了するものだった。
後輩が先輩としての自分に憧れを抱く事は悪い事では無い。
越前も、それと同じなのかと思っていた。
「いや…アンタ、わかってないよ」
…何をだ?
「悪いけど、俺は今までの奴みたいにはいかないから」
「越前…?」
「…逃がさないから」
「!?」
ぐらり、と思考が歪む。
それから後
の記憶は…


ぎゅぽん…っ!
「っぁ…!」
乱暴に抜き取られるリョ−マの腕。
反射的に揺れた手塚の身体が、再び脚を投げ出したまま床に沈む。
「もうガバガバだね。俺の腕なんか余裕ってかんじ?」
勢い良く腕を抜き取られた空洞は、ずるりと内側を曝け出しひくひくと不規則に蠢いていた。
肉体も精神も、もう限界。
「でもさ…それじゃ嫌なんだけど俺」
リョ−マは抜き取った左手を自分の顔の前に持ってくると、右手の掌と併せた。
いただきます、のような状態であわさった指先をそっと傾けると、
その状態のままリョ−マは手塚の股間に屈みこむ。
「……?」
手塚はその一連の動作を、ぼうっとする脳裏の隅でうっすらと眺めていた。
「…アンタを一番感じさせてやれるのって、俺じゃないとね」
くちゅ…ぐちゅちゅ…
指が数本、手塚のアヌスに沈みこむ。
「……!?」
指の付け根までくわえたところで、手塚の身体が大きく仰け反った。
久しぶりに意識を虜にするその激痛。
「ふふ…そうでなくちゃ」
リョ−マの瞳が嬉しそうに輝く。
「ここを通る時が一番辛いんだってね」
見開かれた手塚の瞳に、驚きと怯えが浮かんだ。
自分の中に挿れようとしているものを、視界が捕えてしまったのだ。
「や…やめろ越前…っ!!」
ギチ…
一番大きくなっている部分が通らずにとまっている腕を、意地悪くゆっくりと旋回させる。
「あ…あああああァッ!!は…あっ!うぐ!ッ…あ…!はぁっ、はぁっ…ッ!」
小振りとはいえ、二本の拳が押し広げる激痛に手塚が苦しそうに呻くのを
リョ−マは満足そうに見下ろしていた。
「ここで止めるとキツイんでしょ?…楽にしてあげようか、部長」
四本、いや八本の指の内側に二本の親指がしまいこまれ、
併された掌の表面上の抵抗を滑らかにする。
「俺の手小さくて物足りないだろうけど…逆にこういうこと出来るのも俺だけ、でしょ?」
リョ−マの腕に力がこもる。
メリメリメリッ…
「やめ…嫌だッ!や、アッ…嫌あぁぁぁぁーーーーッ!!」
手塚が絶叫した。


画像に触れると変化します

「グ…あっ、アァッ!ぐあああぁッ!!」
ギュブ…ミチッ…グリュ
「どう?今までの誰よりもキツイでしょ? 誰よりも俺のが凄いでしょ?」
内側で拳に握り直された二本の腕は、ゆっくりと、奥へと捩じ込まれていく。
「覚えといてよ部長」
「ぐ…ぅあっ、あぁッ!」
抵抗しようにも、体内に太い棒を突き刺されたまま蠢かれては
暴れようと振り上げた四肢が引き攣っていうことをきかない。
「アンタを一番感じさせんのは…いつだって俺だから」
奥に捩じ込んだ腕を、リョ−マは思いっきり引いた。
「アアアアアアァァッ!!」
勢い良く内壁を引っ張りながら抜き取られていくリョ−マの両腕。
だが 、二つの塊を入口が通り抜ける事が出来ずに手首で止まった。
「う…!」
「その事忘れたら…許さないよ」
ズリュ…
そして、 再び奥へと勢い良く押し込まれる。
「あぐ…!おァッ…ッーー!ぐああぁッ!!」
手足を痙攣させながら大きく揺れる手塚の身体を
リョ−マは無言のまま幾度となく突き上げる。
ズリュ…グボッ!グジュ、ギジュッ…ヌボッ!
「壊れ…ッう、ぁがぁッ!」
いくら弛みきってしまっていたとはいえ、二本の腕は其処にはギチギチで
激しい抽送は手塚の内壁を内へ外へとずるずる引き摺りながら激痛を与え続ける。
左右の手を交互に突き上げたり、ナカで両手を組んで抉ったりと
その行動には加減も容赦も何も無い。
「ひぎぃッ!…えち…ぜ…ぎゃああああぁッ………!!」
絶叫、そして
手塚の抵抗が、止んだ。
「……部長?」
手塚は失神していた。
いや、それが当たり前。
逆に、よく今まで意識を保っていられたものだ、
普通の精神力ならとっくに発狂してしまってもおかしくないというもの。
それほどの暴力を与えられているのだから。
意識を手放した手塚は僅かに四肢を痙攣させ口から泡を吹いていた。
「…………」
ぎゅぽっ…ぐぽん…っ
リョ−マは片腕づつ手塚から抜き取ると、タオルで腕を拭った。
「…部長」
完全に失神してしまっている手塚。
リョ−マはその動かなくなった顔を自分の方に向かせると、
泡を吹き零す口元に そっと口付けた。
くちゅ、くちゅ
泡を舐め取り開きっぱなしの口内に舌を潜り込ませ、無反応の舌に絡める。
一方的なディープキス。
「…部長…」
リョ−マは自分の股間に手をやり、硬くなった自身をつまみ出すと
変型しきった手塚の空洞に差し入れる。
ぬりゅ…ぐちゅ…
小振りな少年の其れなど今の手塚の身体には赤子の指のようなもの。
ぬちゅ…ぬるっ、くちゅ
それでも締りの悪いことなど気にも止めず、
側壁に己を激しく擦り付け勝手に自らの欲を高めて行く。
一方的な性行為。
その様は、まるで死姦のよう。
「あ………ッ」
びくん、と身震いしてリョ−マは手塚の中に全てを吐き尽くした。
幼い我侭な欲望が手塚の腹の奥深くに流れ込んでいく。
行為の余韻でぐったりと手塚に抱きついたたまま満足そうな表情で手塚を見つめ、
動かない無反応の身体にリョ−マはもう一度口付ける。
「…やっと黙って俺を受け入れたね部長。アンタのヴァ−ジン、たしかに俺がもらったからね」
玩具やフィストで散々酷使されてきた手塚の身体。
だが、リョ−マの言う通り相手を受け入れたのは、確かにこれが始めてだった。
手塚の『最初のsexの相手』は、紛れも無くこの越前リョ−マなのだ。
他人を使って手塚を凌辱させておきながら、性器を一切挿入させなかったこだわり。
自分以外には手塚に性的行為を認めない。
だが頑に自分を拒む手塚には限り無く込み上げる怒りと凌辱心。
歪んだ一方的なその感情、それは…
「前に言ったよね、好きだ…って。あれは本当だよ。俺、あんたの事ずっと欲しかったんだ」
それは、リョ−マの愛情だった。
リョ−マは眠る手塚の髪を犬猫でも撫でるように愛おし気に撫でる

「だって…なかなか手に入らないものを手に入れた時って……最高だもんね」
あまりにも歪んだ、独占欲と支配欲に酷似した愛情。
だがそれはまぎれもなくリョ−マの愛だった。
「もうこれで、アンタは俺のものだからね」
小悪魔のようなリョ−マの微笑みが、意識のない手塚にいつまでも降り注ぐ…。


end

 





2004.06.27

最後だけ小説にしようかなぁとも思ったのですが、なんか短文で間に合いそうだったのでらくがきのままで。
このシリーズのシメはWフィストにしようと最初ッからきめておりましたv 実際リョ−マの手の大きさならできるでしょうし。
なんか繋がりがわけわかんないって?まぁ魅夜の作品がわけわかんないのなんていつものことですよ(笑)簡単に言えば、
素直になれないリョ−マ少年の片思いが最後は成就って感じのせつないハートウォーミングストーリーですかね(どこが!?)
っってなわけで手塚フィストシリーズはこれにて完結で〜す!
手塚おつかれ!(笑)

…地味にこんなもの二年近くもやってたんだねえ?(笑)



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