注意:ものすごく無茶な話ですよ?準備はOKですか?(笑)
潤ごっこ
狩谷「ここは……車の中か?」
(外は…綺麗な景色だ。こんな風景は戦争が始まって以来久しく見ていないな)
「潤、もうすぐファームにつくぞ」
狩谷「ファーム…?」
(そうか…僕は、僕じゃ無いんだな今)
「久々にマックスにあえるから潤も楽しみだろう」
狩谷「マックス…?」
(馬の名前…だったかな?)
「さぁ、ついたぞ。ここからは車じゃなく歩いていこう」
狩谷「…え!?」
(歩く、だって?無茶をいうな!僕は歩けないんだぞ!?)
「何をしている潤、早く来ないか」
狩谷「だって…降りるのを手伝って頂かないと…」
(そうさ…どこにいくのだって、僕には自分じゃ出来ないんだ…)
「ハハハ、何を甘えているんだ?潤、さぁおいで」
狩谷「え?わぁッ引っ張らないでくれ!そんなこと……!?」
(………え?)
狩谷「………あ……」
(立ってる……?)
狩谷「僕…立ってる…?自分の脚で…脚が……!」
(立ってる…脚が動く…!)
「ははは、当たり前だろう潤?どうしたというのだ?」
狩谷「歩いてる…歩ける……」
(僕は………!)
「ん!コラ、どこに行く!?潤!」
狩谷「歩ける…!走れる…!飛べる…!!」
(脚に触れる地面の感触…すごく…すごくなつかしい…!)
「まったく、急に走り出してどうしたというのだ?」
狩谷「僕は…僕は…!」
「ど、どうした潤!何を泣く!?」
狩谷「うっ…うっ、ううっ…!」
(また、僕の脚は歩けるんだ…!)
「やれやれ、泣くな潤…どうした?ん?」
(潤…か、この世界で潤としていれば、僕は健康な肉体…)
狩谷「…なんでもないです、さぁ早くいきましょう?」
「うん?そうだな」
(あぁそうさ…だったら、ここでずっと潤を演じ続けてやってもいい…!)
・
・
・
「なんだか今日は落ち着きが無いな?潤」
狩谷「そうですか?ふふ…」
(当たり前だろう、歩けるんだぞ?じっとしてたら勿体無いじゃないか)
「ついたぞ潤」
狩谷「え?どこにですか?」
「おいおい、マックスに会いにきたんだろう?ハハハおかしなことをいうな?」
狩谷「あ、そうか、マックスの所にきたんでしたね?」
(浮かれすぎてそんなことすっかり忘れてたよ)
「久々の対面だ、行っておいで潤」
狩谷「あ…そうですね」
(本当は馬なんてどうでもいんだけど)
「ブルルルッ」
狩谷「うわっ!ひゃぁ!」
「ヒヒーン!」
狩谷「わわッ!よせって…あは、あははくすぐった…」
「フフ、マックスも久々に潤とあえて大喜びだな」
狩谷「…潤…か」
(僕が主人にみえてるんだな…こいつにも)
狩谷「お前…そんなに主人にあえて嬉しいか?」
「ブルルッ」
狩谷「お前……もし主人がお前にのれない身体になったとしても…」
「ブル…?」
狩谷「それでも……主人のこと好きでいられるか?」
「ブルルッ!」
狩谷「うわッ!舐めんなって!あはは!」
(こいつにとってどんなになっても主人は…主人、か…)
狩谷「そうだよな…?どんな身体になったって、同じ…人間なんだよな?」
(当たり前のことなのに…)
狩谷「だけど…人間にはそれができないんだ…」
(以前と同じように、好きでいられなくなるんだ…)
狩谷「お前…僕の事好きかい?」
「ヒヒーン!!」
狩谷「…ふふ」
(馬って…動物って…いいな)
狩谷「僕も…お前の事好きになれそうだよ」
(人間もこんなふうになれたら…いいのにね…)
「…さぁて、そろそろ挨拶はすんだかな?潤」
狩谷「あ…はい」
「それじゃあそろそろ仕事にはいろうか」
狩谷「仕事?」
(仕事って…僕は騎手なんだろ?こんなとこで何をするって?)
「潤も早く準備をしなさい、しておかないと大変だろう?」
狩谷「…あの、なんのことでしょうか?」
「全く、今日の潤は随分と甘えん坊だな?まぁ良い、私が手伝ってやろう」
狩谷「え…あ!?ちょっと、何をするっ…!?」
(何!?何!?何で僕こんな変なものに縛られてんの!?)
狩谷「ほどけッほどいてくれッ!また僕から自由を奪うのか!?」
「なにを言っているのだ潤?ははは今日の潤は本当におもしろいな」
狩谷「これはどういうことなんだ!?」
「これからマックスの種をとるのではないか」
狩谷「…種?」
(馬って…植物だっけ?)
「マックスは潤がいないと種を取らせてくれないからな…」
狩谷「種……馬の種…!まさか…たっ種馬!?」
「潤の中じゃないと種を出さないなんて…全く我侭な子だよ、ふふふ」
狩谷「ふふふ、じゃない!冗談よしてくれ!馬だぞ!?無理だ!無理だろう!?」
「おやおや、最初の時のような事をいうのだな潤は」
狩谷「最初…って、こんなこと何回もしてるのかアンタ!?」
「オフの度に来てもらっているでは無いか?」
狩谷「ーーー!」
(冗談だろーー!?毎回この馬の相手させられてんの!?)
「さぁマックス、今日も元気のいい種をたのむぞ」
「ヒヒ−ーン!」
狩谷「う…うわぁぁ!寄るな!くるな!この家畜!下等動物!」
「マックス、ゴー!」
「ヒヒーーーン!!」
狩谷「う…うわあああぁあ!!」
(馬なんて…人間なんて…大ッ嫌いだああぁああーー!!)