「…ネスティ！」
雨竜「ここ…どこなんだろう…」
「聞いておるのかネスティ・ライル！！」
ビシィッ！！
雨竜「ぎゃッ！？」
（ななななんだなんだ！？）
「この私を無視するとはいい度胸だなネスティ・ライル！？貴様何様のつもりだ！」
雨竜「え！？」
（あ、そうか…ここネスティさんの世界なんだ）
雨竜「…だ、だからっていきなり鞭で打つ事はないでしょう！？」
「…なに？」
ビシィッ！！
雨竜「ぎゃぁッ！？」
「いつから私に口ごたえ出来るようになったのだ！？えぇネスティ！」
ピシッ！バチィッ！
雨竜「痛ッ！痛いッ痛っ…ごごごごめんなさいッ！？」
（何この人ーー！？）
「ふん…まぁよいわ」
雨竜「ひぃ…いたた…」
（何で殴られてるか意味わかんないよ…なんなんだ！？）
「ところでネスティ…貴様、あの小僧に話したそうだな？」
雨竜「話？」
（そういわれてもなぁ、何の事だろう…）
「貴様は……何をしておるのだーーッ！！」
バシィッッ！！
雨竜「痛ーーーッ！？」
（ワケわかんないんですけどッ！？）
「やつに気付かれてはならんとあれほど…それを貴様はッ！！」
バシッ！バシッ！
「この役立たずが！馬鹿者がッ！！」
雨竜「うわぁッ！なんかよくわからないけどごめんなさいー！？」
「よいかネスティ、こうなったら奴を…あの成り上がり小僧を殺すのだ！わかったな！！」
雨竜「わっ、わかりま……えぇ？殺すぅ！？」
（なんかスゴイ話になってきたぞ！？）
「さもなくば…わかっておるな？」
雨竜「え？あ、あの…よくわかりません…」
（ていうか、全くわかりません！）
「フン、さもなくば…貴様が死ぬだけだネスティ・ライル！」
雨竜「！」
（そうきたか…）
「この薬を…すべて処分してやる。そうすれば貴様は…フン、そういうことだ」
（そういや、ネスティさん薬がないと生きられないって…）
「よいな、必ずあの小僧を殺すのだ！」
（逆らえない人がいるって、そういう事だったのか…）
「フ…と言ったところでどうせ貴様は口で言ってもわからん奴だからな…」
雨竜「え…？な…！？ちょ、やめ…やめてくださ…っ」
（うわわわッ…嘘！？こんな人と…）
「誰が貴様の所有者か…その身体でじっくりと噛み締めるが良いわ！」
雨竜「い…嫌ーーーッ！！？」
（僕こんな人にいきなり襲われるのおォォおオー−ーッ！！！/大泣）
・
・
雨竜「……ってて、ううぅ…いきなり酷い目にあったなぁ…」
（これじゃ体中痣だらけになっちゃうよ……ん？）
雨竜「な…ななッなにこれ…！？」
（この身体の痕は痣じゃないよな…模様？）
雨竜「そうか…これが…機械紋とかいうやつなのか」
（いざ自分がなってみると…）
雨竜「前にカッコイイなんていったけど…たしかにこれは…」
（ちょっと隠したくもなるかも）
雨竜「う〜ん、僕今本当にネスティさんなんだなぁ……」
（…ん？ということは…）
雨竜「今の僕は滅却師じゃなく召喚師か…ちょっと…興味あるなぁ召喚ってのも」
（…ためしにやってみようかな）
雨竜「ええと…」
（どうやるんだろう…とりあえず適当に…）
雨竜「……召喚！」
（…これじゃシンプルすぎるか）
雨竜「…召喚獣よ！来い！」
（…こうでもないのか）
雨竜「………きたれ我僕よ！」
（さすがにこれじゃ無理か）
「ネス、何やってんの？」
雨竜「うわッ！？」
（びっくりしたッ！）
雨竜「ええと、いやその…召喚の練習を…」
（うわあぁ人に見られた−ーッはずかしいぃーーッ！）
「練習？ネスが練習する必要なんてあるの？」
雨竜「いやその、あれだ…修行の一貫だよ！新しい召喚バージョンの開発を…」
「ふぅん？」
（あれ…そういやこの人も召喚師だったような）
雨竜「えっと…君、召喚できるんだっけ？」
「うん？そりゃできるよ。ていうかネスが俺に教えてくれたんじゃん？」
（ええぃ、この際聞いてしまえ）
雨竜「あ、あのさ…いっつも召喚って…何て言って呼んでる？」
「え？…あぁ、これは勉強なんだね？大丈夫だよ、俺ちゃんと覚えてるってネス」
雨竜「そ、そう？じゃあちょっと教え…いや、復習してみてくれない？」
「〜〜の名のもとに命ずる、いでよ〜〜〜でしょ？」
（あぁなるほどね、名前いれないとダメなんだ）
雨竜「そっか、よぉし…」
「ネス、何呼ぶの？」
雨竜「あ…！」
（うわ…召喚獣の名前わかんないや…）
雨竜「ええと…いつも一番呼んでるやつでも…」
「ライザ−？」
雨竜「そう、それ！」
（それでいいや）
雨竜「えー……石田雨竜の名のもとに命ずる！いでよライザーーー！！」
…シーン。
雨竜「………あれ？」
「なに？イシダウリュって？」
雨竜「あ！そうか…」
（僕の名前じゃダメなんだ！そりゃそうだよな…）
雨竜「こ…コホン。えー…ネスティ…ネスティ…えーとフルネームなんだろう？」
『聞いておるのかネスティ・ライル！！』
（…あ、そうだ、ライルだ！さっき呼ばれてたっけ…）
雨竜「ネスティ・ライルの名の下に命ずる！いでよライザ−ー！」
「…ライル！？」
（これでどうだ！）
……シーン。
（あ…あれーー？）
「…ネス……その名前…契約名じゃないよね？」
雨竜「え？」
（違うの！？）
「契約名は『ネスティ・バスク』でしょ…？」
雨竜「え！？」
（そうなの！？）
「ライル…でもそれが、ネスの本当の名前なんだってね？」
雨竜「あ……」
（え？え？この名前って、隠してたのか！？）
「ネスがライルで…俺がクレスメント…ネスの話を聞いても、なんだかまだ信じられないよ」
（さっき言ってた話って…このことなのかな？）
「でも…もっと早くに打ち明けてくれても良かったのに」
（ということは小僧って、この人の事か）
「ネスがライルでも…融機人でも、俺は全然構わないよ？そりゃ驚いたけど、でも、ネスはネスだもん！」
（あ…ちゃんとネスティさんの事理解してくれてるんだなこの人…）
「俺達、今までと同じでいられる…よね？」
雨竜「…君がそう思ってるならきっと大丈夫だよ」
「うん…ずっと一緒だよネス？」
雨竜「………」
（この人を殺せっていわれてるのか…きっついなぁこのポジション…）
「……それはそうとネス、さっきまで一体どこいってたのさ？」
雨竜「え？…えーと…」
（さっきまでいたのは、どこなんだろうか？）
「…また、派閥？」
雨竜「あ、そう！きっとそう！」
（だと思う）
「ネス…なんで派閥に行くの？なんで…あんなやつのトコ行くの…！？」
雨竜「それは……」
（薬貰いに行ってるんだろうな…たぶん）
「もうあいつのトコ行かないでよ…ネス！」
（いかないと死んじゃうんだろうな…きっと）
「あいつと…いっつも何してるの？」
雨竜「そ…それは」
（いっつもああやって暴行されてるのか…本当やだなこのポジション）
「ねぇネス…身体、見せてよ」
雨竜「…え？」
「いつも絶対服脱がなかったでしょ、それって模様があったからでしょう？」
雨竜「う…うん…」
（そうなんだろうなきっと）
「だったら、もう隠さなくてもいいじゃない」
雨竜「だ…だから脱げといわれてもな…」
（さっきの痕ががまだはっきり残っちゃってるし…）
「だから見せてネス…俺にネスの本当の姿、見せてよ」
雨竜「う！？とかなんとか言いつつ…君、力づくで強引に脱がしにかかってるよね！？」
「…ネス…この痣、何？」
雨竜「僕の話きいてないよね！？ って、あ、痣？あぁ…さっきの…」
「…派閥で？あいつにつけられたの？」
雨竜「え、ええと…うん、まぁ…そうかな…？」
「…………」
（これも言っちゃいけなかったのかな…秘密多すぎて難しいよこのポジション…）
「ネスって…こういうの……好きなの？」
雨竜「は！？」
（ちょっと待て）
「だから派閥に行くの…？あいつとするの？」
雨竜「い、いやそれは、違…」
「なんだ…そっか、そうだったのか！」
雨竜「いや、そうじゃなく…」
「これからは俺がしてあげる！」
（ちょっと待てって！）
「だからあいつのトコにはもう行かないでね？」
雨竜「だからそれは違うと…な、何故僕を縛るんだ！？」
「いくよネスッ！！」
雨竜「え…！？」
ビシィッッ！！
雨竜「ぎゃーーーーー！？？？」
「こういうの、いいの？好きなの？ねぇネス、ねぇってば」
雨竜「い…いだだだだ…」
（ホントもうかんべんしてよ…）
バチ−ーーン！
雨竜「痛ーーーいッ！！」
「あ…ここも？」
雨竜「…ひッ！？」
「ここも虐められたの？…すきなの？ネス…」
雨竜「うわ、其処ちょっとまって！ホントまって！まだ痛…」
「それじゃあ…コレでいっぱい虐めてあげるねっ？」
雨竜「なッ！なんでそんなものも持ってるんだよ！？」
「さっき召喚してたら出て来たんだ。どこかの世界のが紛れて来たんじゃないかな」
雨竜「どこかの世界って…」
（それは僕らの世界のイカガワシイ玩具だぞ…）
「もういっこあるんだよ？」
雨竜「！？」
「これでいっぱい虐めてあげるね…？」
雨竜「ちょ……」
（なんでこうなるんだよーーー！？）
雨竜「や…ひああぁああッ！！？」
（もうヤだ！この世界やだ！融機人イヤだーーーッ！人間にもどりたいよーーーッ！）