『見つめて欲しい』

<2>


 
「…起きて、手塚」
「……う…」
 意識を手放したらしい手塚は、不二の声で再び現実世界に帰ってきた。
 ガチャ…
「…ぐっ…」
 手首の音が、そして、下半身に残る痛みが、その現実味を手塚に伝える。
 不二に弄ばれた手塚の其れは、あちこちから出血しながらすっかり縮み上がってしまっていた。
「こんなに怯えちゃって…かわいそうに…」
 不二は其れを愛しそうに指で撫でながら、ゆっくりと口に含む。
「ふっ…!?あ…ひっ…!」
 血の味を味わうように全体を隈無く舐め回す不二。手塚にとって初めて受ける行為、フェラチオ。傷の痛みがあるとはいえ、人の口内というのは痛みを癒す作用もあり、手塚の其れは痛みにもめげすに元気を取り戻しはじめる。散々表面を傷つけられたとはいえ、機能事体は正常だった。
「あ、…うっ…不二っ…不二…ぃっ!」
 しつこい程に丁寧な不二の舌は手塚を今にも導き出そうと責めたてた。そして不二が強く吸い上げると、手塚はいとも簡単に不二の舌に落ちたのである。不二は手塚の放った其れを喉を鳴らしながら旨そうに飲み干し、零れた雫まで綺麗に舐めとった。
「ふふ…溜めてたでしょ手塚?随分濃いのが出たよ?あぁ…ひょっとして自分でした事すら無かったとか?そんなわけは…ないよね?」
「くっ…」
 手塚が僅かに顔を赤らめ、顔を背けた。こんな状況でも生理現象はしっかりとおきてしまう。それが情けなく、屈辱だった。
「僕もね…最近全然出して無いんだ」
 不二はズボンのファスナーを降ろすと、手塚に自分を取り出して見せた。不二の身体や顔に似合わず、しっかりとした立派な大人の其れ。
「君が口でしてくれるのを夢見て…自分ではずっとしないで、とっておいたんだよ」
「ふ…じ…」
「…もちろん、してくれるよね?」
 チク…と喉になにか尖った物の感触を感じ、手塚は息を飲む。口元に不二の物をぶら下げられ、手塚は震える顎を恐る恐る開いていった。
「あぐっ…!」
 幾らか開いた手塚の口に、不二の物が強引に詰め込まれた。
「あぁ、あったかいよ…手塚」
 不二は手塚の頭を抱きかかえると、腰を押し付けた。
「がっ…ぐぅ…!んぐッ…」
 喉にまで届く不二の激しい圧迫で、手塚は呼吸もままならないまま奉仕を続けさせられる。
「…飲んでね」
 一言、不二が言った。
「ん…!?がはッ…!げほッ、ごほッ…!」
 突然、手塚の喉に濁流が流れ込んでくる。手塚は激しく咳き込んだ。
「飲んでねって言ったのに…酷いな手塚、僕は君の飲んであげたでしょ?」
 不二は悲しそうな顔で、咳き込む手塚の頭を鷲掴みにし、乱暴に揺すった。
「…僕のは飲めないんだ、手塚」
「あうッ、うッ…不二…もう…っ!?」
 何か言いかけた手塚は、首筋の冷たい感触に言葉を止める。
「僕を拒むのは、この喉かい?」
 手塚の喉仏に凶器の切っ先が垂直に立てられていた。
「やめ…不二ッ…お前を拒んでるんじゃ…ないッ…!」
 手塚はその手に力がこもる前に、必死に叫んでいた。
「……違うの?」
 今にも突き刺してしまいそうだった不二の右手が、僅かに手塚の喉から離れる。
「俺は…こんなのは…は…初めてで、どうしていいか…わからない。…でも、お前の事が…嫌いなわけじゃない、だけどこんな…こんな事は…お…お前にして欲しく無い…」
 手塚は混乱する思考の中で自分の気持ちをなんとか言葉にした。
 何も言わなくともわかってくれる不二。いつも自分にさり気なく気を使ってくれているのにも気付いていた。そんな不二を、嫌いなわけじゃなかった。その気持ちに偽りはなかった。少なくとも、今朝までは。こんな狂行を不二がする前までは。
「……僕の事…嫌いじゃない…って?」
 意外にも納得した不二は、アイスピックを降ろすと同時に手塚に聞いてきた。
「あ…あぁ…」
 その様子に手塚は少しホッとして答えた。
「……でも…好きじゃ無いんでしょ?」
 だが直ぐに不二の声のトーンの変化に、手塚は息を詰めた。
「不二…それは…ヒッ!?」
 下肢に触れる鋭利な金属の感触。傷付いた手塚を刺激しながら、奥まった箇所へと移動していく。
「ひ…不二……もうやめてくれ…ッ」
 辿り着いた手塚の菊門に不二は凶器の先端をつぷりと埋める。ビクンと手塚の身体がソレを拒絶する。
「力抜いて無いと刺さっちゃうから」
「やめ…!」
 細い凶器はゆっくりと手塚の其所に埋め込まれていく。
「ひ…ィ…!不二…ィっ!!」
 道を逸れて壁に突き刺さってしまわないように、手塚は必死に強張る身体を緩めようとするが、チクリと先端が弱い粘膜を刺激する度に手塚の身体は跳ね上がり余計な力が入ってしまう。
「僕はね…ただ君に見て欲しかったんだ、僕を見て欲しかったんだよ。最初は本当にそれだけだったんだ。……だけど君が……ちっとも僕を見てくれないからさ……僕は………」
 不二は10B程の金属部分を手塚に埋めた。なんとか道を逸れる事なく埋め込まれたソレ。
「こうするしか…ないんだ」
 不二は突き刺した凶器で、手塚を抉った。
「ーーーーーーッッ!?」
 赤い血と共に手塚の絶叫が部屋に響いた。

 

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2002.12.06
 なかなかじれったいかも(笑)今回あんまり…
鬼畜じゃ無いね。
 




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